「ウルトラヘヴン」は、非常にリアルにサイケデリック体験を描いたトリップ漫画であると同時に、変性意識状態における宇宙観を見事に表現した作品である。 作品の中で、瞑想センターの創立者・桐山が説く宇宙観は、まさに仏教の思想そのものであり、それは量子力学にも通じる不変の真理といえる。 たとえば、「私たちが知覚する現実とは 私たちの脳によって生み出されるバーチャルである」という発言は、仏教の唯識思想そのものであるし、彼が海と比喩している深層意識は阿頼耶識に置き換えることもできる。 「ひとつの素粒子は全宇宙の状態を表現しているともいえます」 これは華厳経の「一即多多即一」という言葉と同一ととらえることができる。 作者の巧みな画力にまず圧倒されるが、それだけでなく、作者のさまざま体験や知識に裏打ちされた、哲学的にも深淵な作品である。 3巻が楽しみでならない。
☆1970年代にあの手塚賞を最年少で受賞されて当時、天才出現!と騒がれたが、漫画界から忽然と姿を消し、沈黙した伝説の異色天才漫画家、小池桂一先生の数少ない代表作である。ストーリーを書きますと面白味が減りますのであえて避けます。とにかく、映像的な画面構成と空間認識、カット割り、緻密な線描、洗練された形式、構図、他など、誰にも真似できない独特で不思議な雰囲気を醸し出しており、物語以上に感激させられる。そして、手を抜いていない完璧で繊細な描写も確かに素晴らしいが、単に絵が上手いだけでは無く、説明状況を丁寧に表現している技法にも大いに感服させられる。力強い渾身の労作といえる。本音を言いますと物語は、難解で複雑ではあるが、神秘性と哲学的な要素も満載で興味が湧く。人間精神論、又は奥深い原始と現在の意味合い、テクノロジーがもたらす危機性といった深刻なテーマもあり、お話のスケールはかなり大きい。何回読んでも飽きる事が無く読む度に新しい発見がある。異端にして、本格的なストーリーテラーの小池桂一先生が漫画表現の最高潮の腕前を遺憾なく発揮され、非凡なテクニックで描いた驚異的な超大作です!☆。
超最高!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
トリップしたあの感じを見事に描写(笑)早く続き読みたい(^u^)
これは気軽にトリップ体験できる代物です!
人体無害なペーパードラッグ(笑)
驚いた!知らなかった作者だけに衝撃はおおきかった。こんなにもおもしろく、そしてリアルにトリップの世界を描いてしまうなんて。今まで見た事も読んだ事もない作品に出会った気がします。一気に読むとまるで自分も体験したような後味です。正にトリップ漫画!!!
時代は幕末。ペリー率いる黒船が来航した1853年。 武士、宮本晃市郎は、日本の将来を案じ、 あえて国禁を犯して海外事情を 実際に見聞しようと黒船に密航することを考えていた。 そんなある日、彼は町でピエロの姿をした謎の大道芸人から、 金平糖と呼ばれる異国の菓子をもらう。 夜、高台から海を眺めながらその金平糖を食べてみると、 突如として空に天狗たちが巨大な金平糖とともに現れたのだ! 驚いた晃市郎が巨大金平糖に触れると、彼は天狗たちと共に、 時空の狭間に迷い込んでしまう。
そこは、天狗だけでなく、西洋の天使や、 東西の妖精達が行き交う天上界だった。 その天上界で、彼は今後の日本の未来と歴史を垣間見ると同時に 永遠に輪廻転生を繰り返す、無数の自分自身と、 何者でもない、あるがままの自分自身をも体験する。 彼は、ここで宇宙の真理をかいま見たのだった。 が、それと同時に彼は自分の今生の未来に ただならぬ暗雲が漂っていることも知ってしまう。 果たして晃市郎は、運命を乗り越え、 旅立つ事ができるのだろうか?!
時空を超える神の意志とは? 自分とは何か、存在とは何かという意味を問う、 スピリチュアル且つ哲学的な内容の作品です。 絵も非常に美しく、緻密に描かれており、 アートと呼ぶにふさわしい雰囲気をたたえた傑作です。 詳しくは書きませんが、ハッピーエンドと言える内容で 読後感も清々しい感じでとてもいいですよ。
復刻版は、原作者名が新たに表記されたこと以外は、 1988年に発行された白泉版と、内容、版型ともに まったく同じです。ハードカバーの堅牢で美しい本です。 復刻されたことで以前に比べ買いやすい値段になっていますので、 小池ファンならぜひ手に入れて欲しいと思います。
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