「
こどものじかん」、遂に完結です。りんたちの卒業式は、正にこの漫画のテーマの凝縮されたものでした。青木先生の言葉を聞くりんたち、それは作者の言いたかったことを聞く読者そのままの姿。うん、この作品をずっと読んできて本当に良かったです!
自身を好きになれず、他者を拒絶し、だから自分で進んで孤独になる、自分がそんな他者に囲まれて将来幸せになれるとどうしても信じられない――。りんを始めその周囲の大人たちまで含め彼ら、彼女らがそんな想いを抱えてのスタートだったのがこの漫画でした。それを突き崩していったのが青木先生を始めその周りの者たちで、最後には具体的な言葉としてりんたちは「自分を好きだ」という相手の言葉に涙し、やっと自分を肯定出来たのでした。
幸せになるとは、自分の居場所を見付けること
人間が文字通り「人の間」に在るモノならば、"それ"が見出だせないでいる者たちは自分の嫌っている他者と関わらない限り見付からないのでしょう。教師とは立場上否応なく他者との関わりを強いられるモノであり、それがこの漫画では青木先生がりん、レイジを救うことになったのだと思います。そしてこの2人に関わることで、青木先生も大きく成長出来た。相手を多く見る時、相手にもまた多く見られる。成長、理解、友情、愛、そうしたモノは多くの場合そんな時に見付かるのではないでしょうか。
青木先生とりん、卒業後のこの2人のカンケイにきっちりとケリを付けて物語が終わったのは好印象。この漫画らしくその辺りの描写を曖昧に、あるいは綺麗なものにせずに「ちゃんとヤって」くれたのは、一読者としてとても嬉しかったです。りん、というより恋する女には、男などでは到底敵わないと改めて実感しましたですよ……。
私屋カヲル先生、素晴らしい漫画を本当にありがとうございました!色々と考えさせられる作品は名作の証、今後の人生でも私はきっとこの漫画の中で感じたものを忘れないでしょう。また違う作品で出会えることを、楽しみにしています!
連載版の存在を知らないままコミックになってから購入しました。
同作者の「
こどものじかん」にあるようなエロネタに加えて、
ノリとテンポは「ちびとぼく」時代を彷彿とさせる、
ほのぼのギャグ漫画です。
鬱展開や難しい人間関係も無く、一気に大団円へと駆け抜けるので、
とりあえず私屋カヲル作品が好きな人は迷わずポチっとどうぞ!