ずばり
タイトルは「阪神電車」社史の網羅性を期待するのは間違いです。しかし、けなしているのではありません。タイムリーな意味で現代の阪神電車を知る良書と言えます。高架化の変遷、阪神難波線の話、車両の紹介等は鉄ピクの特集を見ているような感じ、今買えばホットな情報が、10年後後読めば当時の阪神の姿が描かれている。価格を考慮すれば納得の品
まあまあでした。Window95の頃のですから、画面がCGじゃないのがいいですが、もう少し画面が大きく表示されるともっといいのですが、最近、電車でGOやこのシリーズの新しいのが無いですよね。向谷さんお願いします。
前面展望も良いですが、
開業前の新駅紹介や、軌道カーによる展望(西九条〜難波付近往復に加え、桜川折り返し線も)、開通当日の様子などもあり、良い仕上がりです。走行風景には近鉄沿線も入っていますし。
運転士、車掌さんともきっちりしています(^^)
阪神と近鉄で全然違う運転方法なんかも面白いです。
欲を言えば、10両編成の連結とかも入っていたらな〜と。
一つ一つのエピソードは、ごくありふれた、よく掲示板で話題になるような身近なものです。
出てくる人も、どこかで会ったような人ばかり……あ、おばあさんはちょっと違いました。
観察されている人も、どこかで見たような困った人たち。
起こるトラブルも「あるある」といったものばかり。
思考の流れやちょっとしたトラブルも、一駅で決着がつくような浅いもの。
でも、半年後の折り返しとあわせてみると、すべての登場人物のエピソードが微妙に絡み合いながら、表面的なエピソードの背後にある何かが浮かび上がってきます。
電車で目の前に座った乗客を見るともなしに観察するうちに自分の生き方を少し深く考えてしまう……といったような深みにはまります。ゆきずりの人たちだからこそ、普段は見ずにすませている何かをズバっと見せてもらえてしまう感じです。
話の舞台が東京だと、これは成り立たないかもしれない……とは思いました。関西の、
神戸の、阪急電車ならではの雰囲気なのでしょう。
読後感はすっきり爽やかに終われる小説です。