たしかに犯人が妻と共に死体を切り刻むシーンの描写は怖かったし、犯人と知り合ってから殺人の共犯者にされるまでや犯人の異常性格もよく書けていたと思う。残念なのは著者本人のことを書きすぎたこと、せめて刑務所内でのことぐらいでよかったと思う。

15年前に同僚でありたった一人の親友を殺してしまったという主人公が、なんとか疑いの目を誤摩化しつつ時効直前まで逮捕されずにきたというとこから、物語はスタートします。

しかし、15年に渡る後ろめたい気持ちを抱えた孤独な生活は、あまりに主人公の精神を追い詰め、そして新たな殺人へと手を染めていくのですが、そこには重大な秘密が隠されていました…という感じの内容。

自分はこのドラマ好きです。視聴率は一桁だったし、内容に賛否両論もあったのですが、殺人という後ろめたい過去を隠しながら孤独に生活する人間の暗さとか、精神状態とか、そういう雰囲気が上手く出ていたと思います。

事件に巻き込まれ、亡くなられた方には気の毒としか言いようがないが、凄惨な事件の記録・・・これを読んだ後にはやわな推理小説など受け入れられないのは必至。
なにより驚いたのはゴーストライターを予感させるデキの良さは、実は事件に加担した筆者自身によるもので、一層に迫力を増している。
作家の才能有り気というデキで、主犯に関わったことにより人生を狂わされたのだと痛感し、共感の想いすらも芽生えるといって過言ではない。
心臓の弱い方には、お勧めできないかな。

メロディ、歌詞、歌声、全てに関して完璧です。
歌詞の中に「子猫ちゃん」を入れたのは正解かと。より一層プリンスの歌！という感じがします。
私は元からプリンス好きで石井さんファンだったのですが、どちらの方にもお勧めできます。

ミュージシャンそれぞれに、ベストと呼べるアルバムが存在するが、矢沢永吉の場合、この「共犯者」でなかろうか。
近年のライブにおいて、最高のパフォーマンスだった[Rock opera1] [Rock opera2]においても、セットリストの中核をなしているのは「共犯者」からの選曲である。
リマスタも待ち遠しいが、今のボーカルと技術で再録音して欲しいくらいである。