特異なスタンスを貫き今なお尖がっているロキシーミュージック。淡々と綴られるライブパフォーマンスは孤高の美しさに溢れている。これがロックだっ!不協和音でロックするのはこのロキシーだけです。
世界で最も有名なライブアルバムと言っても良いのでは?
もちろん内容も素晴らしく、Marleyの魅力が詰まっています。
どの曲も良いですが、
特に、このアルバムに収められている''Get Up, Stand Up''が
数ある同曲のバージョンの中でも一番好きです。
8曲目の''Kinky Reggae''は確かリマスター版のみ収録で、
これまた良いです。
本作は13年の解散状態後、2001年に再々結成したロキシー・ミュージックのロンドン、ハマースミス・アポロでのコンサートの記録。再々結成時のロキシーは本作とCD2枚組ライヴ盤を残しただけ。収録曲に関し、そのCDと本作は曲順も含めほぼ同じ。違いはCDでは世界中のステージから演奏を選び、かつ2曲多いこと。そのうちの1曲が名曲「夜に抱かれて」。本作にそれがないのは残念。逆に、本作には中間部でバンド紹介から「マザー・オブ・パール」に移るスリルがある。
ブランクを感じさせないステージの質の高さは驚異的。まず、イーノを除くオリジナル・メンバー4名のロキシーらしい円熟ぶりが見もの。特にアンディ・マッケイの精悍さが印象的。彼はE.ストリート・バンドでのクラレンス・クレモンスのような精神的支柱だと改めて実感した。他の3人もいきいきとステージを楽しんでいる。
次にゲスト・ミュージシャンが豪華。クリス・スペディングの貫禄は圧巻。そして、エディ・ジョブソンとイーノの役を兼ね、ヴァイオリン・機械操作・キーボード担当のルーシー・ウィルキンソン、フェリーの2000年パリ・ソロ・コンサートに出演し本作ではパーカッション兼キーボード担当のジュリア・ソーントン、女性ヴォーカル2名、要所で登場のダンサー達といった華のある女性陣の活躍はロキシー初期の曲が多いこのステージに相応しい。上記パリ・コンサートにも出演したピアノとベース担当の各男性の演奏は本作でも堅実。
美女のイメージの投影等、ステージ構成の視覚面も充実。舞台から1人ずつ姿を消すラストの演出も憎い。約17分のインタビュー中心の特典映像はフェリーに偏らずメンバーの素顔と再々結成に望む気構えを示して見応えあり。
結論として、将来ロキシー再結成があったとしても、ロキシー・ライヴ集大成の映像版としての本作の価値は不滅だろう。
絶頂期のロキシーミュージックを堪能できる、お得なライブビデオです。画像がやや荒いところに時代を感じますが、この価格ですし、許容範囲ではないかと思います。最近の再結成ツアーも、選曲や構成など基本的なところはこの時のツアーを踏襲していることが、図らずともわかりました(笑)。なお、商品説明ではリージョン1とありますが、日本のアマゾンから購入した輸入版は、アメリカで販売しているものと同様に、オールリージョン対応でした。
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