推理劇の巻末予告から楽しみにしていましたら予想以上の面白さでした。 確かにミステリーとしては謎解きが淡白な感じもしましたが、あっという間に最後まで読ませるストーリーと爽快感はたまらないですね。 今後も明るいミステリーを松岡先生にお願いします。
万能鑑定士Qにはまって、そのまま特等添乗員αも、読んでいます。しばらく出なかったので、もう読むのはやめようかと思っていましたが、やっぱり気になって買ってしまいました。期待を裏切らないラテラルシンキングに憧れます。
今回の敵は住職。
一見すると胡散臭いおっさんが相手のように思われるが、
実業家としても成功している若きイケメン住職。
しかも、チープグッズ店長の瀬戸内を師事しており、
事実上の莉子の兄弟子にあたるのだ。
して内容は相も変わらず面白い。
単純だが、そう来たかと思わせるトリックはさすが。
今までずっと買い続けているファンも納得の仕上がりになっていると思います。
ですが今回はそれだけではありません。他の巻とは大きく異なっている部分があります。
1、小笠原と莉子の関係性の変化。
9巻の後半あたりから二人の関係が変わっていきましたが、この巻はその変化が目に見えて分かるようになっています。
2、殺人どころか今回は実害がほとんどない。
これまでのシリーズは、明らかな詐欺や盗みなどの目に見えた被害がありましたが、
今回に関しては、ある意味では誰も目に見えた害を被った人がいません。
なのにしっかりミステリーしているあたりはさすがというほかありません。
まぁ強いてあげるなら小笠原が一番の被害受けていたかも。
これ以上はネタバレになってしまうので、抑えておきます。
最後に、作中に発売したばかりの某ゲームや、AKBの新曲やらを
タイムリーに放り込んでくる松岡先生の茶目っ気溢れるセンスが大好きです。
そして、ヤフオクに関しては大変勉強になりました。
2ヶ月後の次巻も楽しみにしております。
短編なので事件の謎は浅い。ある程度展開は読めてしまう。ストーリーというよりはキャラクターの関係性(掛け合いというか)を楽しむべき。それにしても短編集を世に出す意味は何だろう。ファンとしては長編を望む。
主人公の莉子のキャラと作品の作風が、
この巻と次のV巻からとで大きく異なってきます。
V巻からは莉子の波照間島で落ちこぼれだった事が
キャラの中で大きくクローズアップされて、
それまでよりも明るくけなげな感じがする、
ある意味ではちょっと子供っぽいキャラになってます。
この巻で描かれる莉子は前巻に引き続きクールで、
ちょっと何考えているか判らない危うさがある、
またそこが魅力的な人物像になっています。
作風もちょっと暗い感じでトリックも単純ですが、
あと後になって読み返すと独特の魅力に溢れていると感じました。
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