ストーリーがよくねられた作品だと思う。 結末も読めなかった。
現実と回想が交互にうつされるので注意しながら見たほうが良い。もしくは2回目観るのも良い。
サンペドロの港で船が爆発する。そのときの生き残りであるヴァーバル・キントと刑事であるクイヤンが会話する現在と、船が爆発するまでの回想シーンで構成される。その中で誰もが恐れるギャング カイザー・ソゼの正体を追う。
ストーリーや伏線回収など面白いんだけど、なんか足りない。いや、面白いよ。 個人的になにか足らないん。分った気でいてガツンと殴られた気分でスカッとしたけど・・・。 問題は理解せずにストーリーを追ってしまったこと。 正確に理解しながらストーリーを追っていたらもっと面白かったはず。
でも推理ものに慣れている人はわかっちゃうかもね。
映画は1995年8月16日リリース。題名を直訳すれば『常連の容疑者』となる。この映画のヒットで、監督のブライアン・シンガーは一躍注目を浴び、『X-メン』の監督に抜擢されたらしい。納得。まず、クリストファー・マッカリーの手がけた脚本が素晴らしい(アカデミー脚本賞を受賞)。そしてこの面子、ケヴィン・ポラック、スティーヴン・ボールドウィン、ベニチオ・デル・トロ、ガブリエル・バーン、そしてケヴィン・スペイシーという見るからに曲者を集めた上に、ピーター・グリーンまで持ってきたところが見事。すばらしい選択だ。この辺の役者を選び抜く旨さは『X-メン』でも発揮されているように思う。
そしてやっぱりこの作品でアカデミー助演男優賞を受賞したケヴィン・スペイシーの曲者ぶりが光っている。『カイザーソゼ』とは何者なのか?という答えを目指してのラスト10分の凄さには眼を見張る。見事に組みたれられた構成にただ唖然。面白い映画の典型のような傑作だ。
どんでん返し物の傑作であるこの作品。 106分というコンパクトな時間にまとめられながらも、脚本の巧みさ、ケヴィンスペイシーの演技の上手さで、 「カイザーソゼって恐ろしい奴は何者なんだ!」と観る人に思わせることができている。
だからこそ最後の結末に驚き、強烈なパンチを食らう。 数多くあるどんでん返し物の中でも多くの人に人気があるのはそれが理由なのかもしれない。
映画版の原作。 映画を先に見るか? 本を先に読むか? どちらからでも楽しめると思います。
レビューは沢山あるので割愛します。
この映画でスペイシーを知ったし、その後の彼の立ち位置が決まってしまった映画であることは事実と思います。ある意味ラッキーだった反面、役のイメージが焼きついてしまったのでキャリアとしては損をしたのかもしれませんね。
個人的にはベニチオ・デル・トロのパンチパーマと派手な服装がかっこよすぎる。彼もまた後にトラフィックで賞を取る一流役者ですが、チョイ役でもヤッパリ光ってるんですよね。 象徴的なのはガブリエル・バーンはいつも良い役を貰うんですが、いつも誰かにかき消されてしまうんですよねー。一流なのは誰もが認めるところですが、妙に脇役臭い雰囲気が抜けません。ある意味イイ役者さんです。
オチが全てだというレビューも多く見られますが、それは間違いないと思います。ただ、オチが判ってから再度見返すと更に面白い部分も多いと思います。メッセージ性は薄いですが結構よく作りこまれた深い映画ではありますw
公開から時間が経っていますので、この映画自体を知らない人も居ます。突然引っ張り出してきて皆に勧めると喜ばれます。ヤッパリ判りやすくてイイ映画です。
BD化 + 特典映像 を切望しています。
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