名作ナイト・オブ・ザ・リビングデットの音楽を入れ替え、追加撮影をした作品だが、出来に疑問が残る。とくにラストは追加シーンを挿入することによってオリジナル作品に存在する余韻を壊してしまったようだ。
こうした古典的名作には手を加えるべきではない。できるだけ公開時のコンディションを維持するような復刻、リマスターなどに注力すべきだろう。
作品自体は、もう「古典ホラー」の部類に入る気がします。
「モダン・ホラーの祖」という言い方もされてますが
「モダン・ホラー」という言葉自体が古いので、
「モダン」な感じはしません(笑)
それは良いとして、今回の収録内容に関しては、とても良いです。
まずディスク1は、オリジナルのデジタル・リマスター本編に
音声は5.1dts、更にロメロ+
スタッフの音声解説とは別に、
キャストによる音声解説と、コメンタリーが別々に2種類も
選択できるという、本編の仕様としては最高の仕様です。
ディスク2は、以前ビデオで発売されていた物と同じ発想の
「カラー着色版」なのですが、今回は以前のビデオのカラー版を
そのまま使った訳ではなく、新たに作られた物なので質は向上してます。
更に嬉しいのは、こちらには、お馴染み「ゾンビ映画大事典」の著者
伊東美和氏他、作品に造詣の深い日本人5人による音声解説まで
入っているという、なんとも意表を突いた嬉しいオマケ付きです。
ディスク3ですが、これは以前に同作品のLDボックスに収録されていた物で
やっとDVDでもこの特典が見れるようになったのは、
ファンとしては嬉しい限りです。
以上、日本版でこの仕様が手に入るのはけっこう幸せだと思います。
でも、3枚全てが「片面1層ディスク」なんですよね。
最近のDVDって、ほとんどの物が倍の容量収録可能な「片面2層ディスク」ですよ。
もしも製造段階で「片面2層ディスク」で作っていれば3枚組ではなくて、
2枚組で発売できる内容量。もしも2枚組なら定価は3,990円前後...
そう考えると、今回の「3枚組でこの定価」というのは、ちょっと複雑な心境です。
今はもうめずらしくないが、オリジナルとは別の終局、
おいしい所はそのままに、進化させるべき所には脚色を加え、
最初から予算があったら、こう仕上がっていたのではないか
と言う作品。私はどちらも好きです。吸血鬼映画で言う所の
ノスフェラトゥ的存在。DVDの
タイトルに無いのが実に残念。
「ゾンビ」「死霊のえじき」などで特殊メイクを担当し、この夏公開の
「ランド・オブ・ザ・デッド」にも出演しているトム・サビーニが監督した、同名
タイトルの傑作ホラーのリメイク版。
以前、にっかつビデオフィルムズから発売されていたLDは
スタンダードサイズで、ずいぶんと画質も(当時の水準で見ても)
眠いものだったが、数年前に購入したコロムビア・トライスター版の
北米版DVDは、まあまあの画質。
ワイド画面・スタンダード画面を両面にそれぞれ収録していたのが
新鮮だった。
本作は「ゾンビ映画」という、全体的に見るとなかなか厳しい水準の
ジャンルの中ではかなり突出したレベルに到達した、優等生的作品。
オリジナル版の再現を行いつつも、意外なミス・ディレクションを
誘う演出も多くおもしろい。
黒人青年「ベン」役のトニー・トッドは「ザ・ロック」などにも
出演しているが、本作での演技も印象深い。
本作、リメイク版「ドーン・オブ・ザ・デッド」「ゾンビ・北米劇場版」「死霊のえじき・完全版」とDVDで続けて見られるというのは
実に嬉しい状況だ。あとは「ランド」を劇場に見に行くことをおすすめする。