その後のCSN&Y,POCOで初演・再演される曲、ソロ・アルバムで改めて取り上げられる曲を含めた、貴重な録音を多数収録。 未完成なDEMOや未発表曲も収録したことで、レア・トラック集の
意味合いが強い企画盤ですが、なぜか1st、2ndのみそのままリマスター完全収録され、DISC 4として1枚のCDに収まっています。
ニールがまともに参加せず、崩壊の時期にあったラスト・アルバムからはとびとびの選曲で、バッファローの本質は中心メンバー3人が揃った2枚のみとの見解みたいです。
ブックレットには日本では知り得なかったバッファロー伝説がぎっしり詰まってます。 翻訳された解説のため、文章の流れが米国的で解りづらい面はあるものの(S&G コンプリートBOXと同じ)、
この情報量は凄いのひとことです。 思えばCS&Nの成功で知ったグループだったわけですが、70年頃すでにオリジナル3枚は廃盤で、当時手に入れたのは「ベスト・オブ〜」のみ。
国内盤レコードは見開きで中がライナーになってましたが、そのころでさえすでに伝説のグループ扱いで、レコードが発売されてただけでも良かったと言うべきか、日本グラモフォン時代は全く無名でした。
再発されたのはワーナーに移ってからで、すでにCSN&Yの「デジャ・ヴ」がヒットしたあとで、ようやく雑誌で特集が組まれたりと、 ”伝説のグループ”がやっと陽の目を見たといった感じでした。
毎月ひとつのアーティストを掘り下げて取り上げる、音楽専科誌での特集(74年)はよかった。 そこで2種類あったファーストの存在を知りました。
国内盤は輸入盤のブックレットに訳を加えただけで、日本盤としてのオリジナリティはありませんが、輸入盤が企画されたからこその国内発売ですから価値があります。
印象的なイントロの「フォー・ホワット〜」が、90年代にパブリック・エネミーのサン
プリングにより、バッファローの名が一気に広まったことも効果的だったと思います。
「ブロークン・アロー」は後にニール自身を形容する言葉としても意味深いもの。 その原型となった「ダウン・ダウン・ダウン」や、ファーストに収録されながら「フォー・ホワット〜」のヒットで
差し替えられた「ベイビー・ドント・スコールド・ミー」など、歴史を振り返るには十分な内容です。 Demo曲がどこまで必要なのかは聴く人しだいでしょうか?
むしろバッファローの全曲 + レア・トラックの方が、アルバムを持ってない人にとっては、達成感を一度に得られたのでは? とも思います。