多才な役者であり様々な分野で活躍されている
佐野史郎さんの自伝的エッセーといったところ。様々な思い出が面白く興味深い。冬彦さんのイメージではない佐野さんが語っているように綴られている文章でわざとらしい言い回しがまたおもしろい。劇団の話、テレビドラマの話、マニアックな趣味の話など癖のある文章がまた内容を引き立たせている。残念だったのはもう少し幼少時代、とくに島根でどのように育ったのかが書かれているとより僕には親近感のあるエッセーになったかと。それだけが残念だった。
「クトゥルー怪異録」は日本の作家の中でクトゥルー神話を
愛する者たちが集まり、神話集を作ってしまった作品です。
本格的なクトゥルー神話集は日本では初めての事だけあって、
内容はまだまだ荒削りですが、ここから始まった流れが本流と
なって「秘神界」へと繋がっていくのです。
日本古来の竹内文書と邪神出現を絡めた「曇天の穴」、
日本の片田舎の漁村でカメラマンが体験した恐怖「蔭洲升を覆う影」、(そのままですな)
チュールーの神像をめぐる殺人事件を名
探偵神津恭介が推理する「邪教の神」、
クトゥルー神話の根幹を逆転させた「銀の弾丸」、
コンピューターと預言者の言葉によって出現を予言された地で、邪神たちを
迎え撃つ戦いを描いた「出づるもの」
九州炭鉱奥塊で発見されたつあとうぐあの古文書「地の底の哄笑」
以上の6話をお楽しみください。
ラブクラフトの代表作を現在の日本に置き換えて映像化。原作のイメージがこれほど日本の風景に溶け込むとは驚きだ。細部までの強い拘りは
佐野史郎によるもの。原作を読んだ人なら画面を見ながらにやにやしっぱなしだろう。眞行寺君江の魚顔もイメージぴったり。
絶版になり入手不可だった幻の作品が視聴できました。