このアルバムは1回聴いたときに、いいと思う人はあまりいないかもしれません。それは、デーモンアルバーンという人物が初に近いソロを出したという事への過剰なほどの期待感があるからかもしれません。
しかし、その期待をあきらめ、2回3回と聴くうちに好きになり、ふとした時に「エブリデイロボッツ聴きて〜!」と思う作品です。
そういった意味でもしかしたら彼のキャリアの最高傑作かもしれません。
そして結果としてはあの期待感は正解だったということになるのかもしれません。
ああ、やっぱりデーモンはすごかったんだと・・・。
ブラーでもなくゴリラズでもなくグッドバッドアンドクイーンでもなくロケットジュースアンドムーンでもなく海外ミュージシャンとのコラボでもなく舞台の曲集でもない、ありのままのデーモンアルバーンの、ジワリと良さが来るアルバムをお楽しみください。
初回特典DVDは収録曲のライヴ映像、デーモンによる楽曲解説、ビデオクリップと、このアルバムのイマジネーションをさらに掻き立てる内容で、充実しています。
日常に自然と溶け込むこのアルバムは、個人的に彼の作品の中で、ブラーの全アルバム、ゴリラズのディーモンデイズ、グッドバッドクイーン以来の好きなアルバムです。
良い意味で、とてもブリティッシュなテイストのアルバムです。
一聴した印象はどちらかといえば暗めで地味な印象さえ受けます。
ただしそこは一筋縄ではいかないデーモン・アルバーン氏。注意深く聴き込むと、プログラミングした音と
アナログな音を巧みに組み合わせていて、不思議と心地よいサウンドに
仕上げています。
アッパーなタイプの曲はほとんどなく、あえていえば4曲目「ミスター・テンボ」くらいでしょうか。
(これがウクレレを基調にしたほんわかした曲で、ちょっとポール・マッカートニーっぽいのも面白い)
またいわずもがな、彼の声も相変わらずいいですね。ポール・ウェラーをもう少しクセを強くしたような、
でも落ち着いて透明感のあるボーカルはこのサウンドにもマッチしていると思います。
自分の個性や長所をよく把握していて、それらを過不足なく絶妙のバランスで表現しています。
バンドのフロントマンのソロ・アルバムとしてはお手本のような作品ではないかと個人的には思いました。
そして最後に、なんといってもアルバム・
タイトルと
ジャケットのセンス、これは感心せざるをえないさすがの一言。
久々にイマジネーションを掻き立てられました。
内容的には面白かったがもっと他に聞く人が居ただろうし、聞かなければいけない人達がいたはず。この頃にCDを買ったりライブに行きまくっていた人にはある程度楽しめるがそれ以外の人には詰まらないかもしれない。ただ今イギリスのバンドを聞いている人でブリット・ポップって?と思っている人が軽い気持ちで見ればある程度楽しめるかもしれない。あの頃スエード、エラスティカ等、色々なバンド居たんだからもっとたくさんの人に聞いてほしかった。