私は長年のヴェルヴェット・アンダーグラウンドのファンであり、UncutとMojoのルー・リード追悼記事も読んだので、もうこれ以上読む必要は無いと思っていたのだが、田中泯(ダンサー)のインタヴューに関心があったのと、有楽町の火事の影響で遅れた新幹線を待つ間の暇つぶしに「ユリイカ」(eureka-「見つけた」の意味)を買ってみた。誰もレヴューを書かないので、私が書こう。
さて、目当ての田中のインタヴューだが、ルーの性格やセシル・テイラー(フリー・
ジャズのピアニスト/作曲家)との関係などについて述べている。当然ながらルーの曲に合わせて踊ったダンスについての話もあり、なかなか面白い。
いい出来だと思ったのは、青野賢一氏の“The Raven”の肯定的な解説。一方、山崎晴美氏の「Rou Leed」という綴りは意味不明である。全体的な内容としてはほどほどだと思った。ただ、扉のページにデルモア・シュワルツの小説からの引用(ルーに関係のある内容である)があるのにおまけして4つ星。
2013年10月27日に亡くなった(享年71歳)ルー・リードのソロ初期作品がまとめて手に入る。ちゃんと、
デヴィッド・ボウイ&ミック・ロンソンがプロデュースした「
トランスフォーマー」や、商業的成功をおさめた「
ベルリン」も入っています。お買い得です。
まるで死を予感したかのような、
ジャケット(装丁)。復刻なので関係ないとはいえ象徴的です。実際には、詩の世界は、理解できないものがほとんどなのですが、丁寧な本作りへの経緯とインタビュー、そして歌声への思いと併せ、五つ星としました。ルー・リード好きはぜひ。