BANDAGE バンデイジ 2枚組 (本編BD+特典DVD) [Blu-ray]
手持ちカメラの映像と長回しの多用。ドキュメンタリーのような撮り方が、観客と登場人物たちとの間に、一定の距離を保つ。この距離感がとてもいい。今起こっていることをそのまま描いているのではなく、少し時代を置いてから当時を振り返る回想のような雰囲気を出していて、それが90年代の青春を描いた物語によく合っている。
また、ミュージシャンたちの描写に生々しいリアリティーがあるのは、自身が音楽プロデューサーで、音楽の世界を知り尽くしている小林武史が監督しているからでしょう。
物語は、バンドのメンバーや業界人の視点ではなく、あくまでも女子高生アサコの視点で描いたのは大正解。音楽業界という非日常的な世界に、観客がファンの立場からスッと入っていける。
描くのも甘ったるい青春や友情ではなく、嫉妬や確執といった複雑な人間関係にまで言及し、内幕をのぞき見したい好奇心を刺激する。
マネージャーが味わう、音楽の理解者でありながら創作には手を貸せないもどかしさ。それを乗り越えて商売にするための戦略を練る姿をちゃんと描くことで、ミュージシャンの成功と挫折という在りがちなエピソードだけでなく、そういったアサコの人間的進歩をきちんと盛り込んでバランスを取り、映画はいい意味で普遍的になっていた。
赤西仁はあまりカッコいい役ではないが、軽薄に見えて、意外と音楽に純粋な等身大のミュージシャンを好演。北乃きいはいつもながら上手い。そして、ミュージシャンとしての夢を諦め、LANDSのマネージャーとなった女性を演じる伊藤歩がとても良かった。バンドを売るため商売優先で動いてはいるが、どこかに純粋に音楽を愛する気持ちも持っていて、自分に嫌気が差している。そんな気持ちが切々と伝わってきた。
印象的だったのが、青春の夢に別れを告げ、大人の世界に入ったアサコが、ラストで、かつての夢がまだ消えずに残っている自分自身に涙するシーン。
音楽への愛も、音楽業界の人々への愛も感じさせる佳作でした。
獣医ドリトル DVD-BOX [DVD]
この作品は、ペットと長く暮らすものにとってはどうしても自分なら、どうするだろう的に観ていた。
ドリトル先生は莫大な医療費を請求するけれども最後まで観て理解できる動物愛護の精神が宿ってるからなのだ。
余計な感情は治療の邪魔になるという観点からの小栗旬のクールなキャラ設定。
最高に、かっこよかったです。
俺は泣いてしまって、とても治療にはならないので、いくら努力しても獣医にはなれない。
だから憧れるし尊敬するのだ。
幸福のスイッチ [DVD]
安田真奈監督は、学生時代から映画作りをしていたが、松下電器に入社した後は、
街の電気屋さんをサポートする仕事に従事していた。
その経験を遺憾なく発揮し、ならではのエピソードが随所に織り込まれている。例えば、
お得意先の鍵の在り処を知っていて、留守中にエアコンを取り付けてあげるなど、机上の
脚本で思いつかないような話が登場し、当の電気屋さんたちもこの映画を支持している。
沢田研二もピッタリのはまり役だ。
かつてのジュリーが樹里の親父役とは・・これぞ、オヤジギャグか。
安田監督は出産休暇中だが、充電の後、今度は町工場をテーマに作品を作る予定とのこと。
女流監督が目白押しの中、目線を低く保ち、ヒューマンドラマを創造しようとする彼女に
エールを送りたい。
BANDAGE バンデイジ 豪華版DVD 2枚組 (本編DVD+特典DVD) <初回限定>
作品の独特の世界観を見事に主演赤西仁さんや他の出演者が表現していた いわゆる大作ではないが、派手な演出でごまかされない良い作品
炎の蜃気楼 この夜に、翼を NIGHT WING 集英社CD-BOOK
コバルト文庫で連載されていたシリーズのCD-BOOKです。
この「この夜に、翼を」は炎の蜃気楼の前半部分のクライマックス的なストーリー展開になっています。原作とはまた違った、原作を読んで内容知っている人でも充分楽しめると思います。直江と高耶の心の葛藤をお聴き下さいませ。きっと、意識しないままに涙がこぼれると思いますよ。
ドラマならではの演出…なにもいえません。嬉しくもあり悲しくもあり。
最終巻読んだ今思うと、この葛藤があったからこそ結末があるのだとしみじみ思います。