サマー/タイム/トラベラー (1) ハヤカワ文庫 JA (745)
この小説は、幼馴染を中心にして起きた、高校一年生の時のひと夏の事件を、何十年か
後に主人公が思い返して書いているという形式をとった、過去への追憶と悔恨の物語です。
もう戻れないあの時。もうやり直せないあの瞬間。
でも決して忘れることはできない、大切な思い出。
こういうノスタルジックな想いに共感できるのなら、この本は大いに楽しめます。
さらに、タイムトラベルものが好きなら、確実に忘れられない作品になります。
サマータイムマシン・ブルース 2005 舞台版 [DVD]
同名映画の原作になった、2001年初演、劇団ヨーロッパ企画の演劇のDVD化です。
舞台上という制限のうえで巧妙に描かれる『タイムトラベル』が非常に面白い。
舞台の妙は、映画のようなトリックがないことで、リアルタイムで進む舞台上の時間が戻ったかのように、
昨日の人物と、今日からタイムスリップした人物が交差したり、
昨日の人物と入れ替わりに、今日からタイムスリップした人物が登場したり(実際は同じ俳優が、衣装を変えただけ)、
といった表現の工夫が面白いです。
また、映画版にも引き継がれましたが、大学の同好会のだらだらとした日常も、懐かしく楽しいです。
私は、最初、映画をDVDで観て、演劇が原作なのを知り、あとから購入、鑑賞しました。
撮影にはお金をかけていないようで最初慣れるまで観にくいです。(画質のせいか?)
映画では、舞台で描かなかった部室の外での出来事もそのまま描いていて、観比べてみると、
演劇では、その制約が逆に面白いことが判ります。
サマータイムマシン・ブルース スタンダード・エディション (初回生産限定価格) [DVD]
しかしそれでも彼らはSF研。
たとえ因果律なんて知らなくても過去と現代を行ったり来たり!
素敵な脚本。パッケージ裏を読んで迷わず購入しました。
クーラーのリモコンが壊れてるから、前日に行って取ってこようよ!
いやいやいやいや、それはない。
物凄い疾走感と暑さ。演技も何もかも暑苦しい。まさに若さのほとばしり。やりすぎなくらい暑苦しい演技も相まって、独特のテンションで見るものを無理矢理にでも映画の中に引き込んでくれます。
さらに撮影地、わが故郷香川。香川出身なら『こっ…この場所はぁっ!』とうなること受け合い。
こうして見ると田舎だなぁ、香川。大好きだ。映画も香川も。
ハリウッドにひた走るその足を止めて、少しだけ、小さなオーストラリア(四国)の一部、香川を覗いてみませんか?
そして興味がわいて香川に訪れたときには、書店、古本屋等で『笑いの文化人講座』という本を探してみてください。おンもしろいから。