本シリーズの最大の素晴らしさは、主人公武蔵が命がけの剣術修行を通して人間的成長をとげるという原作のテーマを、主演の中村錦之助本人が、5年がけの撮影を通じて時代劇俳優として成長して行く姿と重ね合わせて見ることが出来る点でしょう。
無垢な女性や子どもに好かれる優しさと野獣のような激しさをあわせ持ち、あくまでストイックな生き方を貫く”理想のサムライ”を演じ切った錦之助はもちろん、天然キャラ?セリフ棒読み?のお通(入江若葉)も、ちょっと高飛車な小次郎(高倉健)も、それなりによかった。それにしても、舞台背景としての江戸初期を完璧に再現した、内田監督以下スタッフの技量には圧倒されました。
ちなみに各作品とも、武蔵の心情吐露のシーンで終わるのですが、これが次回作への期待を盛り上げてくれるので、すぐに次を見たくなります。
1984年に出版された初版は出版された1ヵ月後に買いました。第二版は、出版と同時に買いました。初版は家に、第二版は会社に置いて大事に使っています。 内容的には、SODよりも多い語数の多さはもちろんのこと、語源を記述してあることが有益です。語学に強かった森鴎外は、単語の記憶法はまず語源を知ることだ、といっています。旺文社の英和中辞典が改定されてつまらなくなってしまったのは詳細な記述が特長だった語源を、語数を増やす為に省略したからだと思います。 今、研究社や岩波の英和大辞典または、オックスフォードのPOD以上の辞書を別にすれば語源をきちっと載せてある辞書はリーダースの他にはありません。しかも小さいので扱いやすく、ケインズ流に仰向けに寝ながら本を読む者には必需品です。 リーダースプラスが出たときはよほど買おうかと思いましたが、今のところ不便はありません。ただし、プラスは知識の宝庫だと思います。ブラウズするだけでも楽しいのではないでしょうか。プラスの改訂版の革装が出れば買いたいと思います。革装といえば、紅い革、金色の箔押し文字などで初版の方がおしゃれでした。革装の手入れは、デリケートクリームという靴クリームを使えば大丈夫です。1984年から使っている革装の初版もそのクリームのおかげか、よい状態です。ビニール装ならば硬化してしまうか、風化してぼろぼろのはずです。 CDロム辞書やインターネット辞書が盛んのようですが、寝転んでいてコンピューターは使えません。長島さんは大学での英語の授業中に隣の学生が英和を引くのを見て、「こんなに便利なものがあったのか。」と驚いたのだそうです。せめて、手元に置く大切な辞書ぐらいは革装にしたいと思います。
これは、特攻隊員達の心情をつづった反戦映画だ。 それもかなりの力作である。その学徒兵達の思いがずしりと重いメッセージと なって迫って来る。そして、この映画のラストシーンは画面一杯の白い雲、 それに鶴田浩二の淡々とした声が流れる。「海軍中尉大瀧正男、身長五尺六寸、 体重十七貫五百、きわめて健康」。この言葉が、とても強く心に響いた。
ソニーレーベルの有名所をずらりと並べた楽曲集。
グレン・グールド、五嶋みどり、宮本文昭、ヨー・ヨー・マ、ワルター、クライバーと聞けばそのヴァリューが読み取れる。
聴かせ所が上手に織り込まれた上に、もっと聞きたくなるような仕掛けがあるようだ。
のだめカンタービレで大きく注目された音楽を、より身近にしてもらえるような選曲。
ベストと呼ぶにふさわしい、また全曲聴いてみたいと思わせるだけの、力のこもった盛り合わせです。
名曲のクライマックスだけ欲しい人、カタログ的に名盤を鳴らしたい人には言う事なし。
指揮者やオケ、ソリストのファンを拡げるベスト版です。Afternoon TeaのBGMには最適。
吉川英治の小説「宮本武蔵」を原作とした映画5作のうちの2作目。 小説の「水の巻」の部分で、新免武蔵が名を「宮本武蔵」と改め、人間としての第一歩を踏み出した、話です。 武蔵は自分を慕っているお通を突き放し、己の道、剣の道へいきます。
武蔵役の中村錦之助さんは、タケゾウだった頃の1作目とは違った武蔵を、この2作目でも上手く演じています。 表情がとても良く、例えば、居酒屋で奉公している少年・城太郎の父が以前、自分を捕らえようとしていた姫路城の侍・青木丹左衛門であると聞いた時の表情、宝蔵院で日観に「自分の影法師に驚いて自分で跳び退いたわけになる」と言われた時の表情など、「話を聞く」演技も上手いと思いました。 また、城太郎や奈良で出会った赤ん坊に対する優しい表情は、武蔵を超えて錦之助そのものであろうと思いました。ネットで調べてみたところ、実際、錦之助さんは子供が相当好きだったそうです。
ラストの、般若坂での宝蔵院や牢人との決斗シーンも迫力があって良かった。錦之助さんの斬る演技のうまさはもちろん、斬られ役の方の斬られ方の演技も素晴らしいものでした。 (斬られ役…といえば、般若坂の前に宝蔵院で阿厳と闘い武蔵は勝ちましたが、その阿厳がまた強そうで、阿厳を演じた山本麟一さんは阿厳を演じるにあたって槍の稽古をしていたのだとか…。その気合いが、本番でも入っているように感じました。ほんの少しの出番なのに、凄すぎる!と尊敬) ラストのラストで日観が、武蔵や宝蔵院に斬られた悪い牢人達の死骸の上に、南無妙法蓮華経を書いた石を置き、それを見た武蔵は「…嘘だ、違う違う違う!(中略)剣は念仏ではない!命だ!」と叫びます。これは、原作にはないシーンです。3作目以降もそうですが、この作品は原作よりも人の命を殺めることに批判的のような印象がします。
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