Tbの出番があまりないので、向井ファンの評価は辛いようですが、このアルバムでの向井滋春は、編曲者や指揮者として弦楽器の魅力を縦横無尽に引き出すことを存分に楽しんでいます。
例えば、1-5「ウェディング」で、弦楽器のアンサンブルの美しい響きをしっとりと聴かせておいて、いきなりビートルズが出てきたかと思うと、突然ドラムス+ピアノにのせたトロンボーンでしっかりジャズにしてしまう離れ業を軽々とこなしてしまうのです。これだけいろんな要素を1曲の中に盛り込んだら、どっかで破綻が来そうなものなのに、聴く方はあっけにとられながら、その変化を心から楽しむことができます。
弦がファンキーなジャズを奏でる曲もあれば、クラッシックを思わせるものもある。ストリングスをバックにしたジャズは数ある中、後世に歴史を残す1枚として語り継がれることでありましょう。
2006年の横浜JAZZプロムナードでは、さらに進化したアンサンブルを聴かせてくれていました。向井とストリングスの組み合わせは、当分目が離せません。
白昼の襲撃へ続く日本のハードボイルドの始まり。松田雄作で完結へ。今の黒沢年男から考えられないほどクール!高橋紀子も最高!引退したなんて!白昼の襲撃もはやくDVD出して!!
2008年6月に亡くなったワトソン博士の
最後から2番目の作品。
この作品の存在は、福岡伸一氏の
「動的平衡」の中で知った。
福岡氏は、本著の翻訳者でもある。
ワトソン作品には「未知の贈り物」で初めて出会い、
「生命潮流」で人生観が変わるほどの衝撃を受けた。
その後、著書の中の、
「百一匹目のサル」や「グリセリン結晶化」など、
ねつ造が指摘され、ある意味読者の信頼を失ったともいえるが、
彼が描き出す様々な仮説は、どれも説得力があり、
魅力的で、翻訳された本は必ず買ってきた。
「エレファントム」は、
そんなワトソン博士の集大成ともいえる作品。
少年時代に過ごした南アフリカの自然と、そこで遭遇した
象にまつわる不思議な体験…。
その不思議な体験を解き明かすために、彼は生物学を志し、
さらに様々な分野を遍歴していく。
その過程で、ちょっと怪しい、でも魅力的な
例の仮説に出会っていく。
「水生のサル説」
「ヤコブソン器官」
「生命潮流」などなど…。
そういう意味でも集大成である。
なぜワトソン博士が「スーパーネイチャー」など、
少し危うい世界に踏み込んでいったのかが、
この本を読むと納得できた、と思う。
第6章の最後に出てくる雌象と雌シロナガスクジラが、
海岸で超低周波で交流するシーンは、ほんとうかな、と思わせるが、
象徴的で、とても美しい。感動する。
遊星アルファから地球上の戦争をなくすために派遣されてきた谷啓が日本有数のコングロマリットに入社して…。入社式、自衛隊、パチンコ、ストリップ、ロックコンサート、乱闘国会、カーチェイス等々、谷啓がからむエピソードがどんどんエスカレーションするドタバタ喜劇。
本作はクレージーシリーズで唯一、谷啓が主演した映画で、最初から最後まで、地球人の慣習にとまどう宇宙人らしくトボケタ表情のままで、核開発計画を阻止するという反戦テーマにそったお手柄まで立ててしまう。また、藤田まこと・内田裕也等、豪華共演陣も最高におかしい。ミステイク・セブン(谷啓)とゼロ八(藤田まこと)の共演シーンの楽しいこと。また個人的に、谷啓が住む「日之出荘」の雰囲気が、東京で私がいた古アパートと似ていて懐かしかった。
先のコメントを読んで感銘を受けました。私はただ高橋さんの泣く芝居を見て将来舞台(ミュージカル)女優になってほしいと思いました。
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