映画公開時に、大々的な宣伝を行っていたので相当な作品なんだろうと期待して見たのですが、確かにその期待を裏切らない作品だと思います。登場人物それぞれのキャラクターも面白いし、ストーリーの展開も楽しめます。特に私のお勧めキャラクターは寺島進さん演じる木島丈一郎。巻き舌バリバリな感じがとてもかっこいいです。特典ディスクに入っている逃亡者・木島丈一郎はそんな彼が主役の作品なので楽しさ倍増です☆個人的には、交渉人より逃亡者のほうが好きです。とにかく、一度見てみる価値はある作品だと思います。
デジタルリマスターで画像が大変きれいなのに驚きました。リチャード・キンブルなる逃亡者を通した人間ドラマの数々を多くの人に堪能していただきたい。お薦めのDVDです。
ソード・ワールド2.0短編集「女神の国の逃亡者」読了しました。
待望のソード・ワールド2.0短編集だったのですが、とても面白かったです。
収録されている作品は4編。テーマは“旅立ち”ラクシアの様々な冒険者の活躍を描かれています。
以下ネタバレにならないと思われる範囲で感想を。
「我が心は山に消え」
清松みゆき先生の作品です。
ルーンフォークの蘇生にともなう記憶喪失を描いたミステリーぽい印象も受ける作品です。
個人的には一番面白かったです。ラクシアの死生観もわかるいい作品でした。
「遠いささやき」
篠谷志乃先生の作品です。
フェアリーテイマーを扱った話で、宝石の扱いや、妖精召還の描写などいまいち演出しにくかったフェアリーテイマーの補強にとても参考になる作品です。
フェアリーテイマーなら間違いなく使う【フェアリーウィッシュ】の描写が描かれていたので、実際のセッションでも真似してみたいと思いました。
魔剣の扱い方なども含めて、実際のTRPGのセッションぽさを一番感じる作品でした。
「地を往く者たち」
龍口妙眞先生の作品です。
グラップラーとエルフにまつわる話。種族の寿命の差やそこから生まれる時間に関する考え方やモチベーションの差などの描写は、ファンタジー小説ならではで面白かったです。
文体も躍動感あって読みやすかったです。味方も敵もセリフがかっこいい。
挿絵が私の大好きな今野 隼史先生でした。七人の武器屋や、TRPG関連だと「デモンパラサイト・リプレイ 剣神」のイラストでおなじみですね。
「女神の国の逃亡者」
秋田みやび先生の作品です。
タビットの少年と人間の少女のかけあいも楽しく、ジュブナイル小説ぽく読めました。
こちらも種族の違いによる描写がファンタジー小説ならではで面白かったです。かけあいの楽しさが伝わる作品でした。
世界観補強にはやはり短編集!
ソード・ワールド2.0の小説としては「剣をつぐもの」シリーズがあるのですが、あちらは大きな話題を扱われているせいか、実際のセッションの活かせる情報少ないのが残念だったのですが、やはり世界観の補強には短編集は強いですね。
ラクシアの死生観や、いまいち演出しにくかったフェアリーテイマーの補強にとても役に立ちました。
グループSNEさんのサイトでは、作品に出てきたキャラのデータも公開されています。
設定や世界観をきちんとおぼえるほんの少しの努力は、楽しくTRPGを遊ぶために必要なものだと個人的には思うのですが、こういう意味でこういった短編集の存在は本当にありがたいです。
人気が出て続編もどんどん出て欲しいです。
特に、2話は、何度もリピってしまう。やっぱ、アクションは、相手の動きが、スゲー大事ってことやね。スピード感、緊張感、リアル感、ハンパなくかっこいい!
ダンスのうまいひとだけに、動きが美しい。キレもいい!ガタイもいい!
それだけでも、見る価値あり。
また、ずうずうしい男性や、けなげに闘うヒロインとかが好きな方も、楽しめるでしょう。
ストーリー的には、「なんでやねんっ!!?」も満載ですが、それさえ気にしなければ、最後まで、かな〜り楽しめます!!
旧作の発掘・復刊で新たな人気が沸騰している米国ホラーサスペンスの鬼才マシスンの初期サイコ・スリラー傑作。著者は今も齢80歳を越えて健在で人気は衰えず、日本では2006年翻訳の『奇術師の密室』の成功、本国でも近年、過去の旧作が続々と刊行されています。時代を超えて読み継がれるという事は、取りも直さず著者が常にクオリティーの高い作品を書き続けて来たからだと申せましょう。本書は著者の本領が遺憾無く発揮された、近年ストーカー犯罪と呼ばれる分野の先駆けとも言うべき内容で、後半怒涛のようなスピード感で突っ走り、一気呵成に読者を結末に導きます。
深夜、元ピアニストのヴィンスは頭の中で鳴り響くピアノの旋律に酔いながら、精神病院からの脱出を決意する。男色の看護士ハリーを殺害し拳銃を奪って病院を脱走したヴィンスは、地下鉄改札を無賃で通り抜け駅員から発砲されて腕に重傷を負うが、辛くも駅員を射殺して難を逃れ、やがて目指すアパートにたどり着く。そこは、彼がピアノを弾いていた頃の音楽マネージャー・スタンと妻のジェーンが暮らす家だった。彼は夫婦を拳銃で脅し電話を掛けさせて、自らの最も憎む男、嘗て彼が愛していた女ルースを奪って夫婦となったボブを、アパートへおびき寄せる。そして家を出たボブを追ってルースも密かに尾いて行き、遂に狂人と二組の夫婦の5人が一室の中で恐怖の一夜を過ごす運命となる・・・・・。
狂人の歪んだ論理は常人には理解出来ず、全く予測不可能な不気味さを湛えて、展開に予断を許しません。そんな中で、億病者のスタンと悪女のジェーンの不仲な夫婦には皮肉な運命が待ち構えています。作中人物が恐怖の中で打ちひしがれ自分勝手な心境に陥っても、必ず最後には暖かい著者一流の人間ドラマが姿を見せるのです。細かい点を言えば、手薄過ぎる病院の警備や地下鉄の保安、最後までやって来ない警察官、等の瑕はあります。けれど、そんな些細な事にはこだわらないで、理屈抜きにハラハラ・ドキドキが味わえる息を呑む恐怖と戦慄のノンストップ・サスペンスの傑作を楽しもうではありませんか。
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