先の方のレビューどおり、この作品は長い彼のキャリアの中では”異色作”なのかもしれない。 だが、デヴィッド・ボウイのレッツ・ダンス(紙ジャケット仕様)に迫るファンク・ナンバーはシティポップスに無縁だった音楽ファンも魅了し、オリコン6位にまで上り詰めた程だ。
静かなデジタルエレピの音から一転して矢口博康のcrazyなサックスソロ、サンプリングを併用した野性的なコーラス(山本氏自身がアレンジしてる)、山木秀夫の強烈なドラムに度肝を抜かれる「SHAKE SHAKE SHAKE」(この1曲がアルバムカラーを決定づけている)。畳み掛けるビートの「BREATHRESS」。妖しい恋の駆け引きが浮かぶ「FLAMINGO TABOO」。 山本氏自身の人生観が伺えるタイトル曲の「TO BE」。ラブソングを挟んで再び夜のダンスフロアに響きそうなメッセージソング「WONDERFUL NIGHT」まで一気に聴かせてくれる。
'80年代後半で多くのアーティストがこぞってデジタル・サウンドを導入したが、佐藤準・大村雅朗両氏の手掛けたこのサウンドはすべてをシーケンサーに依存するのでなく、音を奏でる人間の血と汗を感じさせるものであり、今でも古さを感じさせない名盤だと僕は思っている。
また全然記載されていないが(あえて言うならオビ裏にP2008という記載か)リマスタリングが施されたらしく、発売当時のCDよりもハイハットやギターのカッティング、オーケストラヒット(シンセ)など音の密度が確実に上がっている。
現在のヒット曲に見る仲間内だけのメール気分のとは対極的な、売野雅勇・杉山政美・松尾由起夫各氏による職人気質もうかがえる歌詞。
テンションを使った複雑な転換コード。 なにより人種国籍を問わない刺激的なサウンド。
J-POPが取り戻すべき要素が、このアルバムには満ちている。
昔の達彦さんしか知らなかったのですが、最近またはまってしまいました。相変わらずの美声にうっとり…。Londoを大変気に入って繰り返し聴いています(内容は意味深…ですね)。Etudeは夜の締めくくりにぴったりです。
シティ・ポップからAORへ。
山本達彦さんが目指した音楽に大きく近づいた記念碑的作品。
達彦さんが目指したのは「粋」。
当時はそれが「キザ」ととられてしまう向きもあったようですが、
セールスが前作「太陽がいっぱい」と遜色なかったのでファンにも受け入れられたようです。
どのアルバムが良いかは人によって様々でしょうが、
より大人っぽいムードの曲で固められた本作は捨て曲もなく最高傑作と思います。
先発のCMソングだった「マイ・マリン・マリリン」はアルバムのカラーに合わせてリミックスされています。
以下紙ジャケ版に関する○×レビューです。
○な点
・何と言っても音が良い。
1曲目「MAY STORM」イントロの最初のベースの音でリマスターの効果が実感できます。
・ジャケが厚手の紙でしっかり作られています。
帯もオリジナルのステッカー帯のイメージで作られており好感が持てます。
ここは×…
・歌詞カードがオリジナルの縮小で字が小さくとても見にくい。
・コストがかかる紙ジャケとは言えオリジナルの10曲だけで2,500円というのは高い気がします。
同じ値段でボートラや最新インタビュー、解説等が入っているものと比べるとちょっと…
これらを総合して星4つとしました。
東芝EMI移籍第1弾アルバムです。最初と最後の曲は達彦さんのご自宅で録音されたそうです。癒されます。2曲目の『CATHARINE』はカッコいい曲なので是非聞いてて頂きたいです。
『摩天楼ブルース』とか『HIS WOMAN』『STAY INNOCENT』などは特に大好きなんですけど、その他の曲たちにしても、私が思うにですが、比較的達彦さんらしい楽曲が少なくなく収録されてるベストアルバムになってると思うので、達彦さんのCDはあまり持ってなく、何か1枚ほしいな・・って思われてる方には、とりあえずとってもお奨めなベストアルバムだと思います。
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