2つ目のDVDボックスが発売になってそんなに時間がたっていない段階でのブルーレイ化は正直微妙なのですが、「冒険日記」を入れなかったことには賛成です。 「冒険日記」(個人的にはアレを今後観ることはないだろうし、なかったことにしてほしいほど・・)に代わる前、大切なハーモニカを残してスナフキンが旅立つ・・というあの余韻のまま完結したほうが作品のイメージとしては最高の終わり方だと思っているからです。 スナフキンやフローレンたちとの出会いを描いた映画版もついているし、ムーミンの世界観を一つにまとめるとしたら(あくまで個人的には)最高のパッケージだと、うれしく思います。 でもきっと・・商売としては「冒険日記」も収録して「コンプリート」というものも出てくるのでしょうね。
ですが、(しつこいようですが個人的には)このセットは最高の宝物になりそうです。
ムーミンシリーズとして3冊目の本ですが、最初に読むなら、この一冊が最適です。
全七章からなる連作形式の長編小説です。 ムーミン谷の仲間が冬眠に入る導入部「はじめに」から始まります。 第一章で春が訪れると、冬眠から目覚めたムーミントロールとスナフキン、スニフの三人が朝飯前におさびし山に登ります。そこで見つけた、不思議な帽子を軸に、物語が進んでいきます。 スノークのお嬢さん、ヘムレンさん、ニョロニョロなど、おなじみの登場人物(登場妖精?)も活躍します。
トーベ・ヤンソンのムーミンシリーズとしては、三作目です。 しかしながら、祖国フィンランドがソ連との冬戦争を戦っている時に書かれた第一作「小さなトロールと大きな洪水」、 ソ連との休戦後、休戦条件として国内のナチスを駆逐する戦争(ラップランド紛争)を戦ったにもかかわらず敗戦国扱いを受けて講和交渉中に書かれた第二作「ムーミン谷の彗星」が、 出版当時は商業的に成功せず、これらの版元から続編の出版を断られています。 この第三作は、パリ平和条約でフィンランドが国際社会への復帰を果たした1947年の翌年に、続編の出版を断った出版社のライバルであるシルト社に持ち込まれたものです。これがフィンランド、および母国語であるスウェーデンで大成功を収め、翌々年には英訳が「Finn Family Moomintroll」として、第二作の英訳「Comet in Moominland」とともに出版され、ムーミンが世界に知られるようになりました。 物語も、第一作で洪水に追われ、ムーミン谷に辿り着き、第二作で彗星を追いながらムーミン谷を冒険し、ようやく本作で落ち着いて過ごした一年の物語になっています。 そのような意味で、ムーミンシリーズを初めて読むには、この一冊が最適ではないかと思いました。
物語のなかで、スナフキンが語った「飛行おに」の影が迫るなか、最後は晩秋のパーティーで大団円を迎えます。 童話の役割は「怖い話であっても、大人の話をよく聞いて対処すれば大丈夫なんだ。」と、子供が学習する効果にある。と聞いたことがあります。たとえば、赤ずきんちゃんは、オオカミに襲われますが、最後は子羊たちと一緒に生還するし、シンデレラも王子様と結婚して幸せになります。不安を感じても、閉じこもるのではなく、気をつけながら外に出る勇気が与えられています。 この「楽しいムーミン一家」も、ムーミン谷のみんなが「飛行おに」に襲われて全滅。と言うエンディングではありません。 さりとて、平穏無事で、なにも起こらないワケでもなく、ムーミントロールやスノークのお嬢さん、スニフたちが、子供なりに、仲間と協力しながら、大人たちのサポートを受けて大団円を迎えます。特に、スナフキンが去った後に、彼への思いを胸に、前へ、前へと進んでいくムーミントロールの姿勢が印象に残りました。 古典童話の要素を備えながらも、作家が生きた戦中戦後の困難を背景に、たくましく冒険の世界に遊ぶムーミン谷の仲間たちが楽しい物語です。
読みにくい哲学の本を読みながら、「次は絶対ム-ミン読もう!」って思って、読み終わると即ムーミンを買いました。わたしに必要なのはどっちかっていうとムーミンなんじゃないかって思いました。
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