賛否両論あるこのアルバムですが、KEN'S BARのライブを実際に聴いたことがある方には、
このアルバムは「賛」のほうに入るのではないでしょうか。
「楽園」でブレイクしたあとの過渡期と思われる時期にリリースされたこのアルバムは、
奇しくも今まででいちばんいいアルバムになってしまった気がする。
しっとり聴かせるイントロからM9、ファンキーでリズミカルなM11など
選曲は平凡だが、曲の解釈がユニークですばらしい。
男性ヴォーカルにはめずらしい「Lovin'you」のSAIGENJIのガットギターのバック、
「古時計」の矢野顕子の温かみのあるピアノアレンジ、
男性でもカバーが多いノラ・ジョーンズの「DON'T KNOW WHY」etc
平井堅の歌唱力も、ほかのアルバムに比べ表現豊かでそつがない感じ。
「見上げてごらん夜の星を」はなくてもいいと思いました。
「リリースすべくしてリリースされたアルバム」だと思います。
この人は本当に歌がうまい。聞かないと損。
DISC2のフレディ・マーキュリー追悼ライブの歌を初めて聞いた時、
ジョージが白タイツをはくのを嫌がらなかったら、
クイーンの再結成ができると、半ば本気で思ったものだ。
フレディの歌を歌った人の中で、上手い人は沢山いるが、
フレディの歌を聴いたときと同質の感動を覚えたのはジョージの歌だけだ。
DISC1の10曲目、「デサフィナード」はボサノバの名曲。
「音痴」という意味だけど、題名や歌詞とは裏腹に、上手い人にしか歌えない難曲。
本家本元のアストラット・ジルベルトとの競演もすごいが、
なんでもできる人なんだな。
歌唱力も、ソングライターとしての才能にもあふれ、
おまけにルックスもいいのに、
スキャンダルが先行して、今は何をやってるんだろう。
「ああ、もったいない」と思う限りです。
ぼくも 大したことないやろと思い、ほったらかしていましたが、TSUTAYAで何気なく借りて見たら、なかなかスゴいです。
失われた週末を振り返ったジョンの肉声(涙声)が、ジョンの歌う「スタンドバイミー」に重ねられていて 痛切に胸を打ちます。
「酔うとメチャクチャになってしまって、、、、、、
だれも面倒をみてくれない、、、、、、
誰かに愛してほしいのに
孤独で 引き裂かれそうだった、、、」
「ヨーコと離れて分かったんだ
いっしょにいるべきだと
いっしょにいたい、、、
彼女なしでは生きられない
もうボロボロだ、、、、
こんなに彼女が必要だなんて、、、」
、、、ま、ほとんどの人はそのままの状態で生きていくんだよ、と言ってしまうとそれまでだけど。
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