砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet (角川文庫)
海辺の町に生きる、どこにでもいるけど少し不幸な女子中学生・山田なぎさは、自分を人魚だと名乗る転校生・海野藻屑により、いままでの生活が狂わされた。家族のため、兄のために、生きるための実弾を欲しがっていたなぎさと、砂糖菓子の弾丸を撃ちまくる藻屑の奇妙な友情を描く青春暗黒物語。この文庫は最初富士見ミステリー文庫出だされたそうで、ゆるやかなロングセラーにより、新書になって再出版された。私はこの本で初めて読んだので、これが挿絵付きのライトノベルで出版されていたというのは不思議な感じがした。万人向けではないかもしれない独特な雰囲気を持っていたから。タイトルからしてそうだけど、言葉の使い方が絶妙で、この人の文章センスが好きだった。そして物語は冒頭から、ラストがどうなるのかはっきり示されていた。そう、読み始めた瞬間、残酷な結果を提示される。でも、そうならないで欲しい。そんな気持ちで読み進められるほど、痛々しくて切なくて、そしてちょっぴり息苦しい物語。実弾を求める少女。砂糖菓子の弾丸を撃ちまくる転校生。貴族の兄。みんな生きるために、自分を守る膜を張っていた。それは誰かのために働くことであったし、嘘で身を守ることでもあったし、自分の世界に閉じこもることでもあった。痛々しくたたきのめされながらも、現実は死んじゃった子と生き残った子の2種類しかいない。儚さと無力さを見せつけられる様なお話でした。良質なラノベは退屈な文学を上回るのだ、と証明している一冊だと思います。普段ラノベを読まない方にも、お薦めです。 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet (角川文庫) 関連情報
震災孤児となった9歳の花を、同じく身寄りのない25歳の淳悟が引き取って、2人きりの歪んだ家族を作っていく、アンモラルで強烈な恋愛小説。前に進むことは望めず、底に向かって深く沈んで行くしかない背徳的な関係は世間の常識からすればおぞましいけれど、愛情に恵まれず居場所がなかった2人が求め合ってしまうのは必然で、善悪の線を引くことは難しい。冬のオホーツク海でひとつの事件が起きるのだが、「殺人」という人と獣との分かれ道を、海と陸の分かれ目である流氷が象徴している。人を殺した花を守るために、故郷を捨てる淳悟。更に深く絡みあってしまい、もう後戻りは出来ない。お互いに、相手さえいれば何もいらないという覚悟の逃避行シーンはとても美しかった。親子で初恋の人で共犯者、これほどまでに濃密な関係はないだろう。いくら体を重ねても満たされず、ずっと一緒にいるために相手そのものになってしまいたいという渇望感が幾度も描かれる。究極の愛とは相手の幸せを願うことで、そのためには身を引くこともいとわない献身だと言われるけれど、相手を失うことを恐れるあまり、いっそ殺してしまいたいという考えに行き付く愛し方も、わたしは否定できなかった。 私の男 (文春文庫) 関連情報
GOSICK 知恵の泉と小夜曲(セレナード) 「花降る亡霊は夏の夜を彩る」
正直なところGOSICKでキャラソンの展開は期待していなかったです(時代背景的にも)が、唯一歌唱センスが壊滅的なヴィクトリカの歌どうするんだろう?と興味を持って聴きました。それぞれのキャラの雰囲気にあった歌で、ヴィクトリカも悠木碧さんが前面に出たまっとうな歌唱でした(Tr6)。あぁやっぱりと思っていたところ最後のボーナストラックでまごうことなきヴィクトリカの歌唱。これがなかったらレビュー書いてないかも(^^;。Original Verは伊達じゃない。ドラマは飽くまでトッピなこともなくアニメ版のノリそのままな雰囲気で大変結構でした。 GOSICK 知恵の泉と小夜曲(セレナード) 「花降る亡霊は夏の夜を彩る」 関連情報
TVアニメ「GOSICK-ゴシック-」オープニング・テーマ:Destin Histoire
歌はいいけどついえてくるDVDがぶりっこでちょっと、、、残念。 TVアニメ「GOSICK-ゴシック-」オープニング・テーマ:Destin Histoire 関連情報
Upの場面は良いのですがロングショットになると映像がぼやけた感じで残念でした。多田あさみの魅力が全開の内容だと思います。 多田あさみ 誘い花 ~映画「赤×ピンク」より~ [DVD] 関連情報