テレビ・ドラマ『炎の
犬』の主題歌である。
歌は杉村尚美。
杉村尚美は以前は別のユニットのボーカルだったが、両方肯定されなければならないだろう。
ソロ後のこの一曲は圧倒的に素晴らしい。
当時は伝説の「歌番組」にも出演し圧倒的な歌唱力で実力派シンガーとしての力量をこれでもかとばかりに発揮していたが、その美貌も彼女の魅力の大きな一つであり、高音域の歌声と共に、彼女が醸し出す雰囲気にも酔いしれたものである。
その後、そんな気持ちに誘う歌手には出会っていない。
元祖「西部警察」といわれる本作、ヒットを受けての2作目。
やっとキャストと
スタッフが慣れてきたという感じ。ボートチェイスやロケなども(前作より)規模が拡大しており、前作で得た予算をふんだんに投じた感が伝わってくる。しかし監督の癖なのか、どうもチェイスシーンが以上に長くて冗長な感が否めないのは時代の変遷によるものか。最初は迫力満点のチェイスシーンがボートレースみたいになってきて最後はレジャーみたいに見えてくる。★1つマイナスはその分。ただそれだけ。あとは欠点という欠点がみつからない。
それにしても悪役の充実ぶりと、その悪役に対する大門・・・じゃなかった鳴神(なるかみ)の血も涙もない制裁ぶりはダーティー・ハリーへのオマージュを思わせる。観ているうちに「ブラック・レイン」は「マイケル・ダグラス&高倉健」じゃなくて「ハリー・キャラハン&鳴神涼」だったら面白かっただろうなぁ、と思った。もっとも終始仲違いしっぱなしで話にならないだろうけど。
しかし、のちのアクションのほうがはるかに大迫力だし火薬の使用量も、爆発的に違う(火薬だけにw ・・・。)のだろうけど、この時代には風刺というものが現代のものよりも効いている。本作でも地方議員の悪辣ぶりやマスゴミや一般市民の野次馬ぶりがあますところなく描かれている。このドラマが一番いいたかったことは「ただ一人制裁を受けなかったのは警察署長だけだった」ということに鑑賞者はお気づきだろうか。
(レビュアー: 水島)