絵柄と雰囲気。そして１話目のインパクトに惹かれた。これは大作の予感がした。

が、ジャンプ独特の展開ですでにグダグダ感が。ストーリーでやりたいことができていない感じ。無理やりバトルをさせられている例の補正が。

個人的にはあの柔らかい雰囲気で物語を進められていれば、絵柄とマッチしてそれなりに面白くなる気がすると思う。

間違ったのは持ち込んだ出版社だと思う。

タイトル通り本書は現在アニメが絶賛放送中の『ニセコイ』の作者である古味直志さんの短編集となっており、サイズこそ通常のジャンプコミックスと同じですが厚みは約1.5倍と読み応えがあります。

収録作品は「island」「恋の神様」「ウィリアムス」「ペルソナント」「APPLE」そして読み切り版「ニセコイ」の全6編。
ファンタジー、ラブコメ、SF、とバラエティに富んでいる一方、書籍名から想像するほど全体の恋愛要素は高くないので、そういった短編集を期待して買うと肩透かしを食らうかもしれません。

流石に初期作品は画力に難ありですが、それでもところどころ光る物を感じます。
収録順がそのまま発表順になっているので絵柄の変化が解り易く、それぞれの読み切り作品の描き下ろしイラストとコメントが合わせて掲載されているので今と当時の絵柄を見比べるのも面白い。
巻末にはオマケの4コママンガや、あとがきと共に隠れた名作『ダブルアーツ』のイラストも載っているので古味直志ファンは必読です。

最終巻との事ですが、ダブルアーツをもっと早く出して欲しかったです。で、もっと早く旅に出てくれれば…
全体的にちょっとテンポが悪いような気がしました。
キャラは魅力的なので強い敵との邂逅よりももっと二人の旅の途中の日常的なエピソードが見たかったです。(仲違いとか)

ここまで言ってなんですがとても好きな作品でした。打ちきりがとても惜しいですね。できれば復活して欲しいです。