新選組一番組長・沖田総司を主役にした、
京都時代の新選組のお話です。とかく色んな表現がされる彼ですが、このお話の中の沖田さんは、生来の天真爛漫さ・純真さが際立っているからこそ、余計に病魔に冒され衰えていくしかない姿に、更に悲劇性を感じさせます。一見明るく見える姿の影には、当代きっての剣豪であるがゆえに諦め、傷つき、悩む”人間”沖田総司が見え隠れしています。自分が病に冒されていながら、病院で知り合った同じ病気の子供との話など、作り話と知りつつも、沖田さんの優しさと情の深さに胸を打たれ、ついつい涙がこぼれてしまいます。沖田さんが好きな方は、この1冊を読めばさらに好きになること間違いなしです。普段は厳しい土方さんが、こと沖田さんの事に関しては慌てふためく姿も、コミカルでおもしろいです。