今やギター界の重鎮とも言える森園勝敏が81年に発表した傑作。ようやくCD化された。言わずと知れた四人囃子のギタリストとして正式デビュー前から注目されていた森園だが、四人囃子→Goodtimes Roll Band→Prism→ソロと活動していく中で、彼のギタースタイルは大きく変化して行った。初期の四人囃子時代はフィードバック奏法を効果的に使う攻撃的なプレイで注目を集め、その後は小気味良いシャープなプレイのギタリストに変貌したが、Prism加入の頃から若干プレイが不安定になって行った。ナベサダやジョージ川口らとの共演などでJazzyなプレイを展開していた時期もあり、決して悪くはなかったものの何となく自身の方向性に迷いを感じていたようなフシもある。しかしそんな森園も、ソロ4作目であるこのアルバムでは一気に迷いを吹っ切ったプレイを聴かせてくれた。この時期森園が好んで使っていたYAMAHAのギターが、とにかくクリアーで抜けの良い爽快な音で鳴っている。Goodtimes Roll Band時代の小気味よさが戻った印象のギター名曲「Strikin'」は特に圧巻だ。Pink Floydのデイヴ・ギルモアを彷彿させるピッキング・ハーモニクスを用いたフィードバック奏法が聴ける「Yesterday's Dream」や、絶妙の切り口でギターソロに入るVo曲「とどかぬ想い」などを聞くに至っては“完全復活”を確信し小躍りした記憶がある。また、彼のVoも高温域のメロディーが奏功し実に明るく軽やかに仕上がっており、結果的にアルバムの仕上がりの素晴らしさはバジー・フェイトンやパット・メセニーなど海外のフュージョン・ギタリストらの作品に一歩も劣らない充実した作品となっている。とにかくこのギターの抜けの良さはサイコー!。シンプルで明るいアルバム・
ジャケットの印象そのままの、日本のフュージョンを代表する名作である。
僕自身は、四人囃子もプリズムも殆ど聴いていないのですが、ギターワークショップIの「デイ ドリーム」と「アイム イン ユー」のストラトクリーンサウンドが好きだったので、購入しました。全体を通して、本当に幅広い音楽性にビックリ。噂の「レディー バイオレッタ」も初めて聴きましたが、噂に違わず名曲だと思います。浮遊感がたまりません。大好きな「デイ ドリーム」も入っていて、満足です。ストラトサウンドが好きな方に、おすすめです。