インディ―ズ時代の音源をすべて収録したありがたいアルバムです。サビで左右別のことを歌うコンピレーションに提供した不思議な曲「甘い種の不思議」もちゃんと収録されています。
『リリー』で華々しくデビューしたANATAKIKOU待望のフル・アルバム。 どきどきしながら聴き始めたのだけど、期待を裏切らない素晴ら しい出来。 疾走する1曲目。『いけないところで 言うわ!』な 4曲目まで秀曲ぞろい。5曲目で落ち着かせて、後半へと誘い ます。 最終曲の『幻想港町』は何回か聴くといかにもANATAKIKOU らしいなとつくづく。 ダブルボーカルで、それぞれが作詞作曲を手がけるというユニーク なバンドですが、松浦さんは、ひねくれポップス職人的なところが あり、XTCのアンディパートリッジ的イメージ。そうすると、北條さんは、 比較的オーソドックスで渋めなコリン・ムールディングか? しかし、北條さんの存在感はどんどん増している。 『ヌルイ雨』『パンとホープ』は特にいい。 願わくば、『リリー』を越える衝撃をもった曲をつくってほしい。
レビューを書こうと思ったけど、私の言いたいことはすでにピナクルさんが言ってくれています(一面識もないけど)。
付け加えるとしたら、このバンドの唯一無二的な魅力です。その魅力はメンバーさん達の「音楽が好き!」という気持ちから発生しているように思います。独創的というとテクニシャンすぎるのを創造するかもしれませんが、そうではなく、「好き」が「音楽に対する敬意」にまでなっているような初々しいストレンジ感が、ヘタウマ感を生み出しています(ヘタウマが失礼だったらごめんなさい。でも誰にも真似できないという意味の最高のほめ言葉です)。
前回、うちのステレオを買い換えたのは、ANATAKIKOU が Gradation 12 を発売したときでした。それは、どんな音も聞き逃したくないと思ったから。そして、今、またステレオを買い換えようかと思っています。音楽をますます好きにさせてくれるバンドです。ぜひ、ご一聴を!
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