‘94年9月リリースのサードアルバムであり、“古内オリジナル”グルーヴにあふれた最高のコンテンポラリー・ミュージックの最初の完成形を生み出した、名盤と呼ぶにふさわしい作品。
前作と同じ遠藤亮氏プロデュースの本作、魅力のもうひとつのカギは、OLIGINAL LOVE人脈、木原龍太郎氏(key)、小松秀行氏(B)、佐野康夫氏(Ds)による音楽構築でしょうその最高峰はやはり木原氏編曲の6「Peach Melba」。今回、クリアでバランスの良い音となり、魅力がさらに増しています。唯一無二のグルーヴ感覚は、2「もっと」(中西氏のPソロ最高!)、3「うそつき」、5「あなたのためにできること」、8「Lighter」でも満喫できます。そして、1「恋上手」。古内さんはアルバム冒頭にこういうスロー・
バラードを持ってくるのが昔も今も好きですが、この楽曲も歌いだしから心が持って行かれるほど、メロ・歌詞・アレンジ・演奏すべてが素晴らしい。
ヘアースタイルを変え、アンニュイな大人の雰囲気を漂わせるジャケもインナーもとても良い。素晴らしい音質で生まれ変わった名盤、ぜひお楽しみください。
古内東子の凄さは、「空気」を運んでる事。初めて車のラジオから、彼女の曲がかかった時、車のなかが、せつない「空気」で満たされ、息苦しくなったのを覚えています。16の食と恋にまつわるエッセイですが、その「空気」を運んでくる感じは音楽と同じです。1章ごと、1回デートするような気分。一気には、読みたくない。恋人や、奥さんにも知られたくない、隠しておく本。
古内さん、デビュー20周年おめでとうございます。記念アルバムの本作、迷わず買いました。
冒頭に申し上げますが、新作、新録含めて収録された楽曲を聞くに、本作は世に言う「ベスト盤」ではありません。キャリア上、最も売れた「恋」からは選曲されておらず、
バラード系の楽曲が大半を占めています。「Peach Melba」は入ってないし、シングル・カットされたものは5曲のみ。では、本作の意義は? それは、長く(Key、G、B等相方付きの構成を中心とする)ピアノ弾き語りを通じてその時々の自分をファンに表現してきた古内さんが、今の立ち位置からそのキャリアを振り返ると、こういうアルバムになるのだろうなあ、と納得するものがあるということ。自筆の謝辞にあるように、「旅路はまだまだ続く」のだから、いちファンとしては、古内さんの好きなようにひとつの区切りをつけてくれれば良い、それが“ベスト”と思います。
さてそんな(勝手な定義をした)本作ですが、魅力はたっぷりです。まず、なにより選曲と並べ方が良いので、Disc1、2ともにそれぞれがトータル・アルバムのような統一感があります。最近はやりの、所属した複数のレーベルの音源を集めました、のため、音楽の変遷も感じ取れます。Disc2収録の昔の楽曲は、リマスターされたように感じるものがあり、たとえば「サヨナラアイシテタヒト」は、Bの輪郭が明らかにハッキリして前面に出ている。良いのですこれが・・。新曲の中では、平井堅氏とのデュエット「さよならレストラン」がイチオシ。古内さんと平井氏とは彼がデビューしたての頃からの知り合い、歌われるレストランも二人が知る場所、という背景もあってか、一体感にあふれた魅力ある世界を聞かせてくれます。ウーリッツアーPの音色が印象的だった「Beautiful Days 」、new versionではジャージーな生Pが中心でさらにイカシています(このアレンジ、最近ライブでやっているものに近いと思う)。槇原敬之氏がVoの「誰より好きなのに」、正直不安だったが、丁寧で原曲に忠実な歌いっぷり、古内さんのB.Voとあいまって自然な仕上がりに。
改めて歌詞を読むと、せつない恋心をテーマにした歌が多い。はかない恋も、過ぎていく時も、指先から滑り落ちていくような・・・。
これからも変わらず活躍してくれることを願いながら、聞きます。
デビューして数枚のアルバムについて音質が今ひとつで残念に思っておりましたが、今回のこのアルバムではリマスタリングとオリジナルと違ったアレンジのバージョンが入っていたりと昔からのファンにとっては嬉しい作りになっています、単なるベスト版なら購入も見送っていた所ですが、この作りなら満足です
東子さんの魅力の源泉がいっぱいのエッセイ。
食べること、着飾ること、体をケアすること
映画をみること、ホテルでリフレッシュすること
散歩すること、バーで飲むこと、
英語を勉強すること、
作曲すること、生活がみんな魅力的な東子さん
一種、「芸人」(ミュージシャン)は、生きていること
生活すること、観るもの、食べるもの、着るもの、いる場所
によって、感性に影響が出るもの(だと思う)。
そんな創作の源泉を垣間見れてファンにうれしい東子さんの
日常のスナップ写真(ちょっと物足りないけど)つきの、
ひとときをリラックスできるエッセイ集。
ただし、恋はなし・・ちょっぴり残念(笑)