ジャック・フィニイの「盗まれた町」の映画化としては1956年のドン・シーゲル版が一番怖いと言えるでしょう。ただし1950年代なりのエンディングです。こちらのカウフマン版は1979年
という
ベトナム戦争も体験した時代の作品だけに、これはこれでサスペンスが強烈で映像も生々しい。シーゲル版では宇宙生物が人間を乗っ取る様子が今ひとつわからなかったのが、ここでははっきりする。眠らなければならないという人間のハンディキャップも濃厚に描かれています。
シーゲル監督やシーゲル版の主演俳優も端役で登場したりで愛嬌もありますが、基本的にサスペンスに満ちた作品です。人間が乗っ取られるというSFは邦画では「マタンゴ」(1963)、「吸血鬼ゴケミドロ」(1968)などがありますが、これらの作品を面白いと評価した方には、本作を十分楽しめるでしょう。
シーゲル版を見たくなります。そして本作の後のリメイクにはがっかりすることでしょう。
サントラ化にあたり
英語のナレーションやセリフなどが追加されてドラマ仕立てになっており、
それでいて全曲入っておりませんので、曲だけ純粋に聞きたいという人には不向きかもですね。
ただ全体的な雰囲気は非常に良いと思いますので、PC88版がお好きでしたら買って損なしかと思います。
この作品はゴーア及びイーフェクトよりもムードを中心にした映画です。ちょっと暗い雰囲気で、SFサスペンションの様な感じはします。これはストーリの内容と共に俳優のパフォーマンス(特にドナルド・サザーランド)と音楽・サウンドのおかげです。
そして、映画のエンディングも印象を残せるものですよ!
SFファンは必ず、この映画を見て下さい。