ワーナーの新作のBlu-rayということで、期待半分不安半分で見てみました。相変わらず、他メーカーに比べると劣化仕様ですが、ワーナーにしてはまずまずの画質でした。音質に関しては、迫力ある音質で、ビックリしていまう箇所が何ヵ所かありました。画質的にはまだまだですが、音質が全然違うと思うので、Blu-ray購入でも損はしないと思います。
内容は、別エンディングの方がいいとか、いろんな話題になりそうですが、個人的にはどちらもありかなぁと思います。どちらにもそれなりの良さがありました。
ウィル・スミスが非常にいい演技をしていたと思います。ヒーロー役の多い彼ですが、演技力の点で今までの作品よりも良かったと思います。
また、荒廃した
ニューヨークを作り出した
スタッフが素晴らしいなぁと思います。どれがCGなのかが分かりにくかったのも評価できます。
まず、前半のほとんどを
ウィル・スミス一人で物語を成立させるというその存在感と演技力に脱帽する。今、本作のようなアクション大作で、繊細な情感を表現しながらそれができるのは、確かにウィルしかいない。
また本作は、「この世界にった一人残されたなら…」という哲学的な問いかけを抱えたジェットコースタームービーでもある。オープニングのカーチェイスから、映画館のシートに押しつけられっぱなしである。見ている観客もまた主人公のように追い詰められ、逃げ場のないその恐怖や焦燥感を振り払うには、上映時間中目をつむっているしかない。
そして、
タイトルの「私は伝説である」を忘れなければ、クライマックスからラストまでのストーリーを途中で理解することが可能だ。見終わってきっと希望に満たされることだろう。
さらにこの映画の成功は、莫大な予算をかけた
美術にあると言っていい。人っ子一人いないNYの廃墟のシーンはあまりにリアルで、見事としか言いようがない。本作の世界観を、俳優達の台詞ではなくまさしく映像に語らせている。それだけに登場するゾンビ達のCGが見劣りし、そのギャップだけが本当に惜しいのである。
ガンの治療薬が変異したウィルスにより人類のほとんどが死滅し、生き残った人類も吸血鬼のような凶暴なモンスターに変身してしまった近未来。その中で免疫を持ち生き残った科学者が吸血鬼と闘いながら治療薬を研究する。この映画は劇場で見たときラストが何か物足りない気がした。前半、吸血鬼のリーダー格が仲間を主人公に実験用として捕獲された時に明らかに怒りをあらわにしていたり、主人公の科学者が今まで知能や感情のない存在としてとらえていた吸血鬼達が主人公に対し怒ったり、計画的に襲撃してきたり、単なるモンスターではないことに気づいていく伏線があったのにエンディングではそれらの伏線がまったく回収されず終わってしまった。また劇場公開時に流れていたCMに主人公のすぐ横で吸血鬼がうなっているシーンが流れていたが、実際にそのようなシーンは本編でなかった。どうやら調べてみると公開直前にエンディングが撮りなおしされていたようだ。そして特別版のほうには本来のエンディングがおさめられている。このエンディングはきっと前半の伏線が回収されているはずであり、より深みのあるエンディングになっているはずだ。原作や最初の映画化作品に共通する「価値観の逆転」がきっとえがかれているのであろう。