小中さんの脚本、再び(笑)。
「海坊主」の豪華絢爛(?)カラフル画面とは対照的に、「鵺」は薄墨を垂らしたような、静かで物悲しい色合いの画面です。
そして始まる、何やら雅な(笑)お香の話。(香りの演出、好きでした)
普段、あまり馴染みのないお香の話を分かりやすく、その世界の雰囲気をうまく醸しながら、説明しつつも、事件(?)は起き、謎は深まります。
…一体、この「香」と「鵺」をどう絡ませるのか?不思議に思いながら観ていたのですが、最後で、
やられた!!と思いました。騙された。いっそ、清々しいくらい騙された…。
何と言うか、比喩表現のオンパレード。言葉選びにも、画面演出にも、無駄がない。お見事。文句なしに面白かったです。
そして、大筋の謎が解けるにしたがって、訪れる小さな疑問も、いくつかの言葉を拾って、丁寧に吟味してみると、納得の行く「仮説」が立つようになっているのも良かったです。(後編EDの最後のキャスト名を、もっと明確に書いてくれれば、確信が持てたんですが)
と、同時に、分かるように示しながらも、大筋の謎以外は敢えて明言せず、観る人によって、どう取っても良い、と云うような、含みを残して終わるやり方も、
モノノ怪らしいというか…、良かったです。
とても、見応えある物語でした。
…あと、竹本さん(退魔の剣役 笑)、今回、別役のメインで出てましたが、芸達者な人だな、と思いました。他の回にもあちこち、ほとんど出演していて、それが全部、違う人物の声にちゃんと聞こえる…。すごい。
どこで出ているか探して、聞き比べてみるのも、楽しいかもしれないです。(笑)
…とにかく、おススメの一作です!
モノノ怪シリーズは全部で5匹の
妖怪が出てきます。
だからDVDも5巻に分担されているのかと思いますが、それがまるで短編集のように感じられるのです。
「長編、と聞くとなかなか手が出せない」とか、
「時間を分けて付き合える作品はないのか」と思いの方にはおすすめです。
1話約30分以内で構成されていますが、
その作中でも、すぱっと話が区切られていて気持ちが良いです。
「雰囲気が変わるぞ」とか、「場面が変わるのか」という心境を見事に再現してくれています。
だから、見ていても気持ちが良い。
それに日本人にありがちな「句点、終止符を打たない会話文」がなく、
むしろ単語で作り上げられているように感じます。
英文のような感じでしょうか。
けれど英文、と一区切りに出来ないのが、この作品の良い所です。
単語、というよりも、キャラのひとつひとつの台詞に、怪しい雰囲気を感じ、
分かりやすく綺麗で、古風な台詞にうっとり出来るかと。
美しい言葉を改めて好きになれると思います。
これだけの要素がありながら、作画も大変素晴らしいです。
監督である“中村健治”さん。
あの有名な「ハウルの動く城」にも監督補として活躍なされました。
そんな監督の手によって作られているのですから、十分、おすすめ出来る作品なのです。
キャラデザの“橋本敬史”さんは、
BONES会社の代表作になったであろう「
交響詩篇エウレカセブン」の原画担当者です。
最近では「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」でも活躍されています。
きっと、あまり抵抗なく、作品の魅力に引き込まれる。
そんなアニメーション作品なのではないかと思います。
人伝に聞いた アニメ「
モノノ怪」
残念ながら、探せばどこででも見れる無法地帯の今の時代、ですが。
この美しさはDVDならでは。
作品上映時間帯に見れればとてもよかったでしょう。
残念ながら見れなかった私でも、次発売の予約もしました。
色使いの独特性 さながら日本の味わいを感じさせる色あせた色。
台詞の独特の言い回し、ため・繋ぎ
どれも素晴らしいの一言に尽きます。
「陰陽師」「
妖怪」「物の怪」・・・・さまざまな形で本や映画になっているものの
その中で新しくもあり古くもある
ひとつで何度も美味しい としか伝えられません。
日本のアニメが原作頼りだけでない荒い画像だけでない
そんな一級品を見たい方にお勧めです。
「海坊主」編は一味変わったキャラクターが満載で、悲しみや切なさは
毎回のところ、今回はほっとできるシーンもたくさん。
加世さんのキャラクターに救われますね。