本書は日本の近代裁判が始まってから現在に至るまでの事件の中で、主要な事件を選んで判決には表れない事実、背景を記述することによって「物語」として成立させている。裁判における判決は法律を適用する上で必要な事実のみが記述されるので、時か経つにつれ「物語」を失いがちになる。本書はこのような事件を掘り起こし「物語」としての意味を持たせる。法律を知らない者が主たる対象となっているが、
判例を丹念に読み込んでいるため専門家にも読みごたえのある内容となっている。
映画上映当初から気にはなっていたものの、鑑賞の機会に恵まれず時が経ち先日ようやく鑑賞にこぎつけましたが、期待以上の出来で大変大きな感銘を受けました。純愛と信仰という非常に分かりやすいテーマでかつ現代日本社会では受け入れられにくいテーマを、これほど美しく作品化した邦画はかつて無かったのではないでしょうか。すでに信仰をお持ちの方、或いは人生をやり直したいがきっかけがつかめない、そんな貴方に是非お薦めします!
冒頭の暴力団の抗争シーンを見ると、Vシネマにありがちなありきたりのストーリーを一瞬連想させられるが、主人公のイエス・キリストとの”出会い”のくだりから、涙あり笑いありの人間ドラマへと移っていく。日本人のキャストがコワモテ系で韓国人のキャストが善人達ばかりという点には、大人の事情を感じるが作品的には大正解と考える。特に主人公の勇次の妻の母親が、潜伏していた
大阪から帰ってきた勇次と初対面となった時にかけた言葉が秀逸。私はこの言葉を聴いた瞬間涙が一気にフィーバー確変モードに突入した。ちなみにこの母親の台詞のシーンはクライマックスの韓国シーンでもあるが、こちらは別の意味で私はお気に入りである。宗教に興味がない人もこの映画はお勧めしたい。
『Wの悲劇』の著者が自身のひどい腰痛に苦しみ
整形外科、整体、民間療法、あらゆる治療を試み
最後にたどり着いた心療内科で救われたと言う体験
に始まります。
ここに登場する事例は、病気の症例であると同時に
物語風に描いていて短編小説のように読めます。
以前読んだ『診察室にきた赤ずきん』は、医者の目線で
心療内科に来た患者を見ていたものですが、
この本は、心療内科の患者に取材して描いたことにより
より切迫した内容になっています。
潰瘍性大腸炎、醜形障害・顎関節症、高血圧、拒食・過食、
肛門痛、毛髪
脱毛症、喘息、等さまざまな病気が
成長期や青年期の心のキズを原因として、思いもよらない
病気として現れ、主人公を苦しめます。
私は、この本を読んで、自分の膝が痛いのも心身症
ではないかと疑いたくなりました。