本の形になってしまっているので、当時の広告としての表現の面白みはわかりませんが、らもさんが四苦八苦して素敵なものを作り上げようとしている熱意は伝わります。
本文の読みごたえは十分なのですが、以降の(多作のうちの)良作に比べると、アラが目立ちます。「らも節」完成への道筋を見ている感じ。
僕がこの本で一番気に入っているのは、冒頭の企画書です。
練り物の遊び広告を「
宝島」に掲載しましょうという意図を、めちゃくちゃな、しかし筋の通った理屈で(そして神経質な筆跡の文字で)書いていきます。
この企画書は非常にうまくできていると思います。会社で企画書を書く必要があるとき、僕はまずこのらもさんが書いた書類に目を通します。そうしてから文書を書くと、(らもさんの力を借りてですが)ただ自分の力で書くだけよりも、インパクティブな企画書ができる気がするのです。
ルーカスが映画を作る前に必ず黒沢映画を見るというような話をどこかで聴いた気がしますが、おんなじようなもんです。
らもさんが書いた企画書をすべてまとめた本とか、出ないかなあと思います。読み物としてだけではなく、ビジネス書としても有用なのではと思うのですが(一番うれしいのは、そのあたりもひっくるめた「中島らも全集」が出てくれることなのですが)。
この「KA・MA・BO・KO」は全国蒲鉾水産加工業協同組合連合会が、
京都で活動している話題のユニット「さんじゅうしち☆はち(秋人・佐々木清次)」に曲作りを依頼し、完成された究極の食べ物ソングです!
京都周辺で今年の2月にインディーズで発売されてからはあちこちで話題となり、数多くのスーパーの店頭でも流れるようになったため、既に耳にされている方も多いと思います。
「KA・MA・BO・KO」を買って聴いて、ヘルシーな生活を送りましょう!