1話目は
神戸在住が連載中のアフタヌーンに読み切りで掲載されていました。
この頃
神戸在住を知らずにただのギャグマンガとして読み、大爆笑したのを覚えています。
そして、扉絵のテロップに「木村紺ご乱心!?」と載っていて
神戸在住を読み感心して、それ以来ファンでした。
しかし、ファンとはいえこの巨娘が連載されていたのは知りませんでした。
ファン失格ですね。
読み切りだった1話目から巨娘の周りにいる人々を1人1話ずつ紹介しています。
どれも爆笑間違いなし、どの登場人物にも一癖以上あり、文章の多さを気にせずに、むしろその文章の虜となって読むに違いありません。
どうぞ、じっくりと読んで笑ってください。
かつてアフタヌーンという月刊誌はかなりマニアが好きそうな、大人向けの漫画雑誌として発行されていた。私は何故か創刊当初から(当時私は小学生なの に・・・)ずっと読んでいた。その中で木村紺さんの作品は「
神戸在住」が連載された当時、不思議な漫画だなあという印象はあったものの正直私の中ではあまり注目していなかった(とういうか、その価値に気付いていなかった)。
そんな中久しぶりに書店で見かけた作者の新刊が「からん」だった。これまで「
神戸在住」のような叙情詩的な描写によって様々な人間模様を繊細に紡ぎ出していく作者の手法、また「巨娘」にみられるようなコメディの手法など計算された面白さは健在であり、柔道というスポーツを通してそれを取り巻く主人公達の心の動きを読む度に、ああこの作者の人間描写はスゴイ!と唸ったものである。
今回7巻にして終了とのことだが、これまで1巻から張られていた伏線(数々の謎?)は結局分からないまま、これから盛り上がっていこうとする途中で終了してしまった。内容としては京など各々のキャラクターが少しずつ互いに歩み寄り、近づいていく、人間としての成長を伺わせるようなイベントが盛り込まれ非常にすばらしい内容となっている。最後の書き下ろしとした穂積のエピソードにしても、我々現実社会における問題をそのまま飾らずえぐり、しかしそれに対してどうあるべきかという作者の姿勢を垣間見た気がする。
ただ、今回の途中終了の件については「アフタヌーン」という雑誌全体の雰囲気が、この作品の作風に合わないことが理由の一つではないだろうか?以前「よしえサン」という作品が連載されて終了した時、単行本の最後で作者が「雑誌の雰囲気と合わない」といったことを一つの理由にしていた。オタク系漫画が表現方法として決して悪いというのではなく、その雰囲気自体がなじめなかったのではないだろうか(「地雷震」、「勇午」なども然り)。
「からん」の今後の展開については多くの人が期待しているところであり、続編が強く望まれる。しかし柔道というスポーツのジャンルで長く読ませるにはそれなりに準備も必要だろうし、それぞれのキャラの成長など様々な構成を考えなければいけない作者は・・・大変だと思います。でも読者は待っています。私も首を長くして待ってます。