インターネット上に無料公開されている
PDFファイルもあったのですが、やはりこちらの商品はきちんと印刷されていて解説も付いており、曲も聞きながらページもめくっていけるので、よいと思います。
(インターネット上のものは、最初のページにしかパート名が書かれていないものがあり、ちょっと見にくいと感じていましたので・・・)
このCDを聴くまでボロディンを知りませんでした。もちろん曲も全く知らない曲でしたが、非常に聴きやすい、「いい曲」でした。抽象的な表現ですが、これしか言葉が思い付きません。BGMにいいかと思います。
ジャケットの、頬の肉が落ち、サングラスをかけてはいるものの明らかに表情のないディランと、
タイトルの「ノー・ディレクション・ホーム(帰る家とてなく)」という言葉にこの作品の在り方が集約されているように思います。作品が進むにつれて疲労の度を増すディランが終わり近く、インタヴュアーに「家に帰りたい」と漏らす場面など、この時期のディランが「ドント・ルック・バック」で見られるようなイケイケで突っ走ってばかりいたわけじゃなかったことを物語ってくれます。こじつけになるかもしれませんが、「ドント・ルック・バック」が「振り返るな」と前のめりに走っていたのに対し、この「ノー・ディレクション・ホーム」は現在のディランが当時を「振り返」っており、そういう意味では対になる作品なのかもしれません。
「イーゴリ公」は遊牧民族と戦った中世
ロシアの英雄を主人公とした作品である。「ポーロヴィッツ人の踊り」は古くは「ダッタン人の踊り」で知られた曲であるが、民族的にはポーロヴィッツ人が正しい。
捕虜になったイーゴリ公にハン(遊牧民の首領)が自分の力を見せつける宴会シーンで演奏される曲である。この説明からはハンを称える勇壮なメロディを想起するが、ハンに遠方から連れてこられた奴隷の踊り子達の望郷の念も込められている。哀愁と強烈さという多彩なメロディが特徴で、
ロシア音楽の奥深さを感じさせる。