1995年リリースで、
タイトルの通り「ポリスター」在籍時代の全シングルのA面がリリース順に収録されています。
オリジナル(公式)アルバムではありません。
レアな楽曲としては、なんと言っても『風は激しく』ですね。
CD音源としては、2001年リリースの『スーパー・コレクション』(こちらも非公式)と、この『Aコレ』のみです。
また『アゲインスト』は、アルバム『BASARA』にアルバム・バージョンとして収録されていますが、シングル・バージョンは(2011年6月現在)この『Aコレ』のみになります。
「チンペイさんをフル・コンプリートしたい!」と言う方には避けて通れないアルバムですね。
姉妹版の『B面コレクション』との合わせ持ちが理想的ですね。
奥田英二は相変わらず。この人確か「新・雪国」でもこんな役やってなかったっけ?
吉本多香美はその点奥田を好きになる女の心情をうまく表現していると思う。
ちょっとロードムービーっぽい。それはまたそれでいいんだけど。
この映画、もともと2002年の作品なんですが、おクラなっていて、昨年末にやっと公開となり、そしてまたやっとDVD化。
はっきりいって、前半は風変わりなホームレス画家に興味は湧くものの、少々退屈。黒沢あすか演じる女画商の手中に落ちる中盤以降、画商を演じる黒沢あすかの存在が奥田の強い個性と対等に渡り合い始め、画題を求めて二人は山奥に篭り、モデルと画家として不思議な共生関係を築くあたりで、俄然面白くなる。都会と南アルプスの自然との対比、森の中での鳥の声、虫の鳴き声も印象的に聞こえてきた。黒沢のヌードもふんだんに画面を飾る。そういえば、この映画、R-18はおろかPGも含め映倫規制なしなんだよね。芸術映画として認められたということかな。
奥田自ら描き下ろした大小50枚に上る絵画が
スクリーンを席巻してゆくころになると、物語と演技と絵に圧倒される。「ポロック」でエド・ハリスがドリップ・ペインティングを披露したけど、それを上まわる鬼気迫る迫力。しかも、その絵の成否が映画の成否を握っている。それをあえて引き受け、奥田の才能を信じた監督、それに応えた奥田に敬意を表したいです。
「絵にはさ、多分絵には完成なんてないんだ。どこで終わらせるのか、それを決める作家の意思だけ」というセリフが沁みる。そしてラスト、個展を見に来たホームレスの仲間が、絵を見て言うひとことが、素晴らしい。映画自体がこのひとことのために存在するかのよう。さすが、中原俊監督、その演出の見事さ!!