夏目友人帳 参 2 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
夏目友人帳3期、本レビューを書いている現在テレビ放映は早くも数話を残す処ということで寂しさを感じるが、本期も心に残
るエピソード達に沢山涙と温かいものをもらっている。
今期を見ていて感じることは、従来の夏目と妖の出会い・別れに主軸を置いた創りから、3期ではそれに加え夏目と彼の周り
を囲む家族や友人といった人同士の繋がりを描くエピソードが増えたということだ。
本巻に収められる3つののエピソードはその色合いが強く、夏目の過去と秘密を知る幼馴染・柴田(第3話)、夏目が通う高校
の友人達(第4・5話)といった人物が登場、人と妖のみならず人同士に生まれる心の繋がりを感じさせる創りになっている。
1・2期や原作にて夏目の悲しい過去を知るファンには、特に感慨深い話が詰まっているのではないだろうか。
個人的に特に大好きなのが第4話「幼き日々に」、夏目が幼い頃後味悪い別れ方をした妖との再会エピソードだ。小学生にて
既に一人で生きたいと考える夏目の強い孤独や、醜い人間のエゴに怒り心を閉ざしてゆく妖等どのシーンも忘れられない。
だがなにより最後の駅ホームの開放感溢れるシーン、ここに全ての悲しい出来事が繋がる。友人と出掛けた帰り電車の中「
会いたい人がいる」と遠慮がちに打ち明ける夏目に、些細な事情は一切聞かず彼をホームへ降ろし「行ってこい」とただ強く背
中を押し出す西村・北本・笹田3人の友人達。ああ、数々のつらい過去を経て夏目はこんなにも素敵な友達を得たのだな…そ
れまでのつらいシーンで抑えてきた涙が一気に流れ落ちた。今期で最も好きな瞬間かもしれない。
1・2期に比べての絵のタッチ・話の雰囲気の変化などファンの間で賛否ある様だが、私はこの本巻に収められるエピソード達
と出会えただけでも3期が実現したことに深く感謝している。
夏目友人帳 12 (花とゆめCOMICS)
毎巻楽しみにしています。相変わらず素晴らしいお話がたっぷりです。
夏目と彼を取り巻く人や妖たちとの距離感がたまらなくいいです。
一話終わるたび、じわっと涙腺を刺激する切なさとあったかい気持ちで、胸がいっぱいになります。
少女漫画で、これほど長期で面白さが失速せず、話も本筋から脱線せず、読者の心を掴んで話さない作品は初めて出会いました。