紀子の食卓 プレミアム・エディション [DVD]
途方もなく悲しい映画です。 レンタル家族ってホントにあるから怖い…。 空いた心を空っぽな作り物で埋めようとするから 、いつまでたっても 空いた心は空いたまま。 偽物は結局偽物だし、 どんなに自分を塗り替えても 結局剥がれおちてしまう。 自分はどうしようもなく、自分でしかいれない。自分に背を向けることはできない。 それはほんの小さな心の空白に スッと入り込む。 自分の存在価値を認めてもらえたという悦び。 酷く歪んだ世界。 どんどん拡がる恐怖の輪…。 吹石さん 吉高さん つぐみさん など 魅力的な方ばかりです。 この監督の作品は 初めてでしたが、 他にも観てみたいです。 感性に突き刺さり、 脳裏に焼き付く作品です。
いちばんきれいな水 [DVD]
映像もきれいだし、菅野莉央さんの演技もとても良いです。11年間、眠り続けていた姉が両親のいない間--妹がお留守番している時--に突然、目覚め初めてお姉ちゃんと会話をする妹。ずっと眠り続けていた眠り姫、という設定は新しいなと思いました。姉妹の掛け合いも良さそうで見てみたいなと思いました。ただ一つだけ残念だったのは、私は加藤ローサさん素敵でしたが、精神年齢が8歳くらいの女の子にはとても思えませんでした。もっとたどたどしかったり、幼く演じてても良かったかなと思います。あと急に寝たきりだった子が、レストランで外食できるとは思いません(笑)ずっと点滴だったのに?でも2人の想い出の1ページとして残るシーンを作りたかったんでしょう。
途中までは慣れてしまって、この映画はまぁまぁかな?と思っていたのですが、秘密の水の場所に行くシーンでは、綺麗な映像でしたし、物語は後半から思いがけない展開へと進みました。
まさかあんな展開になるなんて…。子供の発想って怖いですねー!そのシーンは意外だったのでよかったなと思います。何故、お姉ちゃんが目覚めたのか、それは最後まで判りません。けれどこれはひと夏の不思議なストーリーです。菅野莉央ちゃんの演技はよかったです。
帝一の國 3 (ジャンプコミックス)
登場する少年・大人でまともな人って殆どいない(笑)
女性陣がとてもまともに見えちゃう。
こういう男達が日本の中枢に居るって、痛烈な皮肉なのかな?
毎回ちゃんとオチや、話の回収があって、一巻読み終わって
スッキリ?する話の作りが素晴らしいです。
ハイテンションな熱血お笑いが好きな方は
ぜひお試し下さい。
私は光明の発明品を試す場面が大好きです!
ライチ☆光クラブ (f×COMICS)
なんというか、一番注目したところは、ゼラが永遠の美に(その玉座に)少女を据えたことですね。
少年でも、女でもない。
これが、なんだかんだ云ってゼラの弱さというか矛盾というか、非常に人間的であり少年的、性的であったのではないかと思います。
最初に自らカノンを、崇め奉るべき存在と定義したことも、言葉にすることによって自らへも枷としたのでは、と感じました。
ぼくらの☆ひかりクラブ 下[中学生篇]
退廃や耽美の世界ではいらない子なはずの青春少年タミヤを主人公として成立させちゃう技量に感服。
前作ではゼラの狂気を引き立てる為とか常識の代理として
「普通の良い子」を描いたのかなと思っていたのですが
もちろんその役割は重要だとして、
起きた出来事に対して人間的な反応をするタミヤのお陰で混沌とした物語に筋が通り、
ガロ系と呼ばれる作家が陥りがちな「奇妙なだけ、勢いだけの作品」から逸脱した傑作になってると感じました。
耽美、退廃、猟奇、社会、恋愛、友情、
哲学、青春、笑い、SF、BL…等々
これだけたくさんの要素をひとつの作品に込めて破綻させないって凄い。
映画、小説業界含めてもなかなかいない、本物の天才だと思います。