いろいろ検索していたら、たまたまこの本に行きあたって(ドストエフスキー『罪と罰』→岩下博美→『星を喰う女』→倉科遼→『夜王』)、レビューを読んだら、良さそうなので、注文して読みました。
地方から東京に出てきた主人公の遼介が好きです。遼介を助けたり、遼介との出会いによって変わっていく人たちも良いです。 実際は、夜の世界というのは、もっとグログロしたものなのかもしれませんが、 この漫画は、情や誠実さがポイントとなっていて、読んでいて楽しくなるような漫画でした。
愛に飢え寂しさに、新人ホストと性交を重ねる女性や、 ソープ嬢というわが身をさげすむ女の子、 それらが、遼介によって癒されていく様子を見ると、本当、救われます。 高額の金額がじゃんじゃん出てきますが、一応、それが普通じゃない、お金というのは大切なんだ、というメッセージを描いてある場面も、ちゃんとあります。
エッチなシーンがあるので、「お母さんこんなの買って読んでる」と、息子たちや夫に知られるのが恥ずかしくって、 商品到着後、急いで読んで、古本に出す本の箱のなかに早く入れ込んでしまいました・・・。こんな調子じゃ続巻を読むのが難しいな…え〜ん。
【後日追記】 上記レビュー掲載後、1週間ほどしてから、古本屋行の段ボール箱から取り出して、主に夫の漫画の並んでいる高い棚の隅に置いておきました。 そして2巻も注文しました…。大丈夫かな?
みなさんが言うように「こんなホストいねえだろう」とつっこみいれたくなりますね。セイヤさんが売り上げ競争の別の店に対して「オラオラ営業で女性を見下している」とか「東京の店の看板頼り」とか、いかにも自分や自分のお店が正統みたいな事吹いていましたが、セイヤさん今でもお金持ちの客しか大事にしないんでしょ、なんか矛盾していますよね。でもこの漫画単純明快だけど読み飽きないしおもしろい。お水系漫画はどうしてもヤクザやさんが出てきますよね、話しの流れで仕方ないかもしれませんが、なんかうざくなる。
遼介の留守中にとんでもないホストがロミオに入店していた。容姿完璧の天才ホスト・翼だ。遼介は翼に売上勝負を持ちかけられ、負けたらロミオを去ることに。
最初は遼介が優勢だったものの、翼は人心掌握術にも長け、遼介派から引き抜いたホストを見事に生かして遼介の売上に迫る。焦る遼介。
遼介は、カリスマホステス・愛夢からアドバイスを受け、今までどおりでは勝てないことを悟る。そして、遂に汚い世界に足を踏み入れる。
ライバルである聖也。
“敵”ではあるけど決して“悪”ではないと言う微妙な立ち位置の描かれ方が見事です。
主人公の遼介が「認めない」と言うやり方も、聖也なりの確固たるポリシーであって
鬼畜でも姑息でもない、それもまたホストの正攻法なのでしょう。
時折垣間見せるNo.1ホストの貫禄に、ノン気な私も思わず男惚れしてしまいます。
勿論遼介の男気、人情味が主ではあるけれど、何者をも平伏せさせる
貫禄と言うかカリスマ性を持った聖也もまた筆頭に上げたい見所です。
ホストと言う舞台とイケメン揃いの役者陣に女性向けと思われがちですが、
是非男性にも観て頂きたいドラマです。
3店舗対決もどの店も閉店しないでいいようになったし、兄弟のも仲直りしたし、主人公の遼介や聖也さん達も新たな道を進んで、全てが丸くおさまって、遼介の性格そのもののようなラストでした。お水系漫画の名作。
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