絶対内定シリーズと呼ばれる就職活動の教本。
面接で聞かれる可能性が高い質問を53個集めたもので それぞれの質問において、面接官の意図や どういうポイントを押さえて答えるべきかが簡潔にまとめられている。
仕事の関係で新卒学生への模擬面接をたくさん行った身としては 「面接官が何を聞きたいのか」「どういう部分をアピールすべきか」が 非常に的を射た形で説明されているので納得できる。
ただ、答え方の例がほとんど挙げられてないため、 ポイントから自分なりのセリフを作り出せる力がある学生でないと、 そういうポイントを押さえた回答がどんなものかわからないままだろう。 それぞれの質問に対して、いい例と悪い例を もっと多くのパターンで紹介して欲しかった。 面接が苦手な学生ほどそういった具体例がある方が 正しい方向性をイメージしやすいだろう。
不満点としてはページのレイアウトが簡素で色分けや枠組みがされていないため、 サイズがバラバラの文章がただ並んでいるのは読みづらい。 また、各質問の左下にあるアドバイスで 学生が陥りやすいミスを警告しているのはいいのだが、 たまに「きみの気持ちはきっと伝わる。きみの気持ちが本物であれば。」のような 漠然とした感情論になっているようなものは参考にならない。
文章中に「コア」「我究」という言葉が唐突に出てくるが それに対する定義の説明がないため、 これがどういった内容を指すのかがわからない。 他の絶対内定シリーズの本で定義しているのかもしれないが、 書籍単体ということで考えると、「意味がわかっている言葉」という前提で 話が進められているのは不便だ。
『キャンティ物語』となっていますが、話の中心はキャンティではなく、オーナーであった川添浩史の一代記と言えるものです。 キャンティは今も六本木にある老舗イタリアン・レストランで、チェーン店が何店舗かあります。 私が始めてこの店の名前を知ったのは、レストランの味ではなく、オーナーであった川添氏がブロードウエイ・ミュージカルの『ヘアー』をプロデュースし、出演者にグループサウンズのタイガースにいた加橋かつみ氏を抜擢したということを何かの雑誌で読んだことです。(この本を読んで実際のプロデューサーは、川添氏のご長男であったことを知りました。) レストランのオーナーがミュージカルのプロデュースをするということが結びつかなかったので、どういうわけだろうという疑問を抱いていましたが、この本でほぼ納得を得ることができました。 川添氏は、後藤象二郎の孫にあたる方で、華族の出自です。 左翼活動を疑われて、パリに留学。しかし大学はすぐに辞め、ブラブラしていたというのです。 自由の都、芸術の都を存分に味わった極めて珍しい日本人であったのです。 その頃のパリは「ロスト・ジェネレーション」の時代。世界中から芸術家が集っていた時代です。 彼らと川添氏は決定的な違いがあります。川添氏は金持ちであり、パリの若き芸術家は貧しかったのです。 川添氏はそこで後の超大物達と交遊を広げます。最も親しかったのは、カメラマン、ロバート・キャパだったようです。 この人脈が後に生きます。 戦争間際に帰国した川添氏は高松宮の秘書という立場を得、「光輪閣」の支配人に収まります。 光輪閣は暫くの間、迎賓館の役割を果たした社交場でした。 公式の社交場としての「光輪閣」。これに対してプライベートな社交場として「キャンティ」がオープンした、という一面があるようです。 この店は、三島由紀夫や黛敏郎など当時の日本の芸術家を惹きつけます。同じように六本木界隈を遊び場にしていた、ミッキー・カーチス、かまやつひろし、加賀まりこなど常連となっていました。 1960年代の日本にあったエポックのような場所がキャンティでした。 惜しむらくは、キャンティという店が主役ではなくあくまで川添氏の物語になっていることです。 もう少し、キャンティという空間に視点がおかれていれば、といった印象は残りました。
中古で購入いたしましたが、とても品質管理・程度も良いCDでした。ありがとうございました。
おりょうさん、あんまり好感を持っていませんでしたが、かなり面白い人!興味がわきました。幕末がリアルに迫ってきます。坂本龍馬を理解するのには、一読する価値があると思います。そのほかの志士もリアリティを持って迫ってきます。面白い。おりょうを通してみる人物なので、多少偏りがあるかもしれませんが、それもまたいとおかし、、、幕末好きにはおススメかな。
最後の第5巻は、第38代天智天皇、第39代天武天皇、第40代持統天皇を収録しています(弘文天皇については記載なし)。白村江の戦い、壬申の乱を経て、律令国家体制が整備されていく様子を追います。聖徳太子から壬申の乱にいたる時代の研究はとても人気があるので、小説や新書などで読んだことのある人も多いのでは。ぜひ原典を読んでみてください。読破には苦労するかもしれませんが、それだけの価値はあると思います。あともう1つ。『古事記』にもいえることと思いますが、一度読んで終わりにしないでほしいですね。繰り返し読むことで理解度も上がるし、思わぬ発見があったりします。何より、現代語訳本を読むよりも味わいがあります。そこが古典の良いところでしょう。…高校時代、古典が大嫌いだった人間の吐く言葉ではないですが。好きこそ物の上手なれ(古典ではなく歴史)?
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