(多少ネタバレ)
「なんで自分だけこんな惨めな思いをするの?」と思うことはないですか? 他人のせいにしたり、自分が楽になるために他人を見下したり・・・。大人になれない、うまいように生きられない人が観たらドキッとするのではないでしょうか。 私はメイビスのような人気者ではないのに、どこか感情移入してしまいました。
大げさな部分もあるかもしれませんが、人のリアルな感情や痛さが鮮明に描かれています。94分でしっかりと描ききっているのがいいです。 映画のラストは後味悪く感じる人もいるようですが、そのような映画もいいと思います。
私は、メイビスがある種の踏ん切りをつけ、無理矢理にでも一人で進んでいくという意思が示されたラストに救いを感じました。
あるビルに勤めることになった主人公がふとした理由で見つけた穴に入ると、俳優ジョン・マルコヴィッチの頭の中に繋がっていた、というお話。 とにかく個性的なお話ですが、不思議なリアリズムを感じる演出もありバランスがいいと思いました。 人間の欲望を比喩的に描いた作品なのかなぁ、と僕は思いました。 見終わった後、なんとも言えない後味があなたを包み込みます。
あまりのシュールな展開に笑ってしまう。会社の71/2階という設定や、耳の可笑しな秘書(?)など意味があるのかと言われればないのだろう。他人の意識の中に入って肉体をコントロールする役なので、主人公を人形使いにしたのはグッドアイデア。ジョン・キューザックとキャメロン・ディアスは汚い格好だし、チャーリー・シーンは私生活そのものか。シーンのハゲ頭も爆笑もの。他にも一瞬出てくるブラット・ピットとか細かいネタが盛りだくさんですが、もっとも笑ったのは、マルコビッチ本人が穴に入ってしまう所で、出てくる老若男女全てがマルコビッチなのには大笑いしました。 主人公夫婦がマルコビッチの意識の中に入って、好きな女性とセックスし、おかしな三角関係になってしまう。マルコビッチの意識の中の15分が過ぎると空からストンと落下するのは、ちょうど射精の瞬間のような比喩なのだろうか? ジョン・マルコビッチ本人がよくぞ出演を承諾したと思う。もし断られて他の俳優だったらどうなるのかな。「シュワルツェネッガーの穴」とかでも面白いかもしれない。
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