始まりの奴隷船での反乱のシーンはリアルなので少し怖くて苦手でしたが、その後は法廷が中心で、興味深く観れる作品でした。しかもよい勉強になりました。
アメリカの黒人奴隷の歴史、南北戦争の時代背景、独立宣言書に対する米国人の思いなど、いろいろ考えさせられました。自由と正義のために闘う米国人って、いつの時代もいろんな場面で出てきますが、やっぱりすごく立派だなと感心しました。
いちばん心に残ったのは、ジェレミー・ノーサム演じる若き判事が、悩み苦しんだ末に下す判決のシーンです。このクライマックスは感動的です。
この作品を観ておくと、南北戦争や独立戦争、人種差別問題を扱った多種多様な作品の理解にも役立ちそうです。
子供が高校生になったら是非見せたい作品です。
肌の色が白い者が黒い者を奴隷とする。
アフリカから奴隷として連れ出された人々が氾濫を起こし船・アミスタッド号を制圧する。
そしてアメリカに漂着し裁判となる。
なにも悪いことをしていなくとも奴隷が合法であるかが問われる。
現代日本は何事もアメリカの真似の社会であるが、ならばアメリカの歴史を知る必要があると思う。
是非ご一読を。
人間とは何か?自由とは何か?友情とは?・・いろいろな問いかけを含み、深く考えさえられる映画です。 スピルバーグの『太陽の帝国』を見た時、この監督のヒューマンな面を感じました。子ども(次の世代)を大切にする人で、子どもたちに良いものを遺すことを念頭に置いて作品作りをする監督だ、と感じました。ただ単にオモシロイ飽きさせない映画を作るのではなく、人間とは?文明とは?・・という問いかけを自らに発しつつ、より穿った深い答えを映画を通し提供しようする姿勢を感じました。この作品からも、そのことを改めて感じました。 流血の場面も出てきます。「ライオン(のように人間の自由を奪うもの)」を殺す場面があります。映画のテーマを強調するためにはリアルに描くことがどうしても必要だったのでしょう。ですが、ただただ凄惨なものとならないようにする配慮を感じました。(とは言いましても、それはそれは凄いものなのですが・・・) 最後の場面はシンボリックな表現になります。シエラレオネ(「ライオンの山」の意)の奴隷貿易の拠点の要塞破壊のシーンはたいへんシンボリックです。これも『太陽の帝国』のラストシーンを思い出させるものでした・・。 たいへん優れた作品だと思います。歴史・事実を直視するには勇気のいるものですが、親子でご覧になってみるのはいかがでしょうか。感動を共有する良い機会を得られるものと思います。
『人権』の概念が圧倒的に白人有利であった時代、奴隷密売船内で起こった黒人奴隷たちの反乱は、船舶と奴隷の所有権を巡ってアメリカ・スペイン間の外交問題へと発展する。
殺人・強盗・略奪等の罪で投獄された黒人奴隷たちの、無罪を立証する為に奔走する弁護士と、奴隷達との心の交流を描きつつ、当時の時代背景に垣間見える社会病理を抉り出した快作。
ジョンソン元大統領に扮するアンソニー・ホプキンスの名演は、一見に値する。
作中、しつこい程のキリスト教賛美が鼻に付いたものの、搾取する者とされる者の残酷な対比はホテル・ルワンダに通ずるものがあり、改めてスピルバーグの手腕を評価せずにはいられない。
この事件を扱ったwikiも存在するので、興味を持たれた方は一読することをお勧めする。
奴隷船「アミスタッド号」の奴隷反乱から、法廷での裁判までを扱った映画のスコア。作曲はジョン・ウィリアムズ。 アフリカンな打楽器の音にコーラスを交えたメインテーマ「アフリカよ,涙を拭いて」は秀逸。その他の各曲も、なかなか感動的に盛り上げてくれる。全体的にコーラスが多めで、パーカッションの使い方もアフリカを強く意識したものとなっている。重く叙情的ではあるが、聴いていて決して退屈しない素晴らしい出来だ。 ちなみにアミスタッドの語彙は「友情」らしい。奴隷船にこんな名前をつけるのもどうかしている。 全14曲、総収録時間約56分。
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