映画の忠実な劇画化版。
現在市販されているDVD等は70'o完全版だが、このコミック版はそれ以前のバージョンのシナリオを元に描かれているため、35ミリ版のセリフ、35ミリ・70ミリ両方からもカットされてしまったシーンがそのまま残っている点、資料として興味深い。映画公開時に出された小説版と違って著者の創作部分が全く無い点が却って資料性を高めている。職人に徹したひおさんの功績だ。
さらに、本書は、ひおさんの後書きがある。作品や時代への愛を感じるコメントで素晴らしい。
さらば宇宙戦艦ヤマトはビデオやDVD版より、このコミック版がお薦めです。
違いはほとんどありませんが、不思議な魅力が詰まっています。
愛すべき作品です。アニメとは違う印象を受けます。たぶんキャラクターデザインのせいでしょう。古代進が優しい美形キャラになっています。
私はさらばは、ひおあきら版が一番だと思います。
古代守のことを心配しつつもヤマト発進を逡巡する古代を決意に導く森雪のシーンや真田のアクティブな活躍シーン(コスモタイガー搭乗)などカットされたシーンが再現されてます。「新たなる」ではDVDの特典映像等でも静止画像で一部鑑賞できるだけの場面ですし、そういう意味では貴重かも。 2005年に再販されたこのバージョンでは巻末の解説が出渕裕さん。ヤマトIIIの設定やメカニックデザインの裏話が披露されていて興味深いです。
独自色を抑えた映画の忠実なコミック版となっている。映画シナリオを基にしたセリフ等は本編と全く同じ。また、ヤマトをはじめとするメカニック群については、アニメの設定資料画を活用することにより、本編とのイメージのずれがあまりない。ひおさんの個性が残っているといえば、南部の眼鏡がサングラスになっていることぐらいだろうか。ビデオがまだそんなに普及していなかった時代、その代役を果たそうとした書籍群のひとつである。そして、それは成功していたと思う。
映画本編ではカットされた、土方のヤマト艦長就任の件が読めるので、資料的にも価値がある。
ひお版ヤマト(第一作)の後半は、キャプテンハーロックの登場、ガミラスエージェント・イローゼ、小マゼラン星雲からの迎撃艦隊とプロットも豊富で、とことん楽しませてくれる。
実際に放映されたTVシリーズ「宇宙戦艦ヤマト」との違いを探しながら読むのも楽しいし、逆に「ここは変えなかった」という共通点を読み取るのも楽しい。SF冒険漫画の傑作である。
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