何度も語り継がれている演奏ですが、日本の一部の評論家の影響で、あまり評価は高くありません。
でも僕はこのメロディーを歌わせることに躊躇しない演奏が大好きです。また録音がフルヴェンや
トスカニーニより遙かに良好で現在のCDはかつてのSONYレーベルの音の堅さも払拭されています。
ワルターが数々のステレオ録音を残してくれたのは人類の文化遺産だと思います。最新のDAコンバー
ターを通して聴くとまた新たな発見がありますがポータブルシステムで聴いたとしても、美しく指揮
者の温かな誠実さは心にしみます。劇的な演奏は別の指揮者にまかせて、あたかも呼吸しているよ
うな音の流れに身をまかせれば、しみじみとした幸福感が心を満たしてくれます。
遅いテンポで始まり、一直線に終結に向かって盛り上がっていく。全体の設計の見事さといい、ドレスデン・スターツカーペレの伝統ある響きといい、この曲の最高の演奏ではないかと思います。カラヤン・バーンスタイン華やかなりし時代にこんな地道で魅力ある演奏があったなんて。気が付くのが遅すぎた。
評価が高かったので、思わず購入。女優さんも頑張ってマス。
シフラは2度ハンガリー狂詩曲を録音していますが、こちらの新しいほうは、年をとったせいかやや技巧的なキレに衰えが感じられました。
50年代の録音の方がシフラ節炸裂ということで評価星4つにしましたが、しかし50年代の録音が超人すぎるだけで、こちらが下手糞なわけでは決してありません。
こちらはこちらで、一味違うグリッサンドを聞かせてくれるし、高速オクターブ奏法など相変わらずの超人です。
リスト特にハンガリー狂詩曲においてシフラの右に出る人はいないでしょう。
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