初めてこの作品を読んだのは二年前ですが、その年に最も衝撃を受けた小説となりました。
舞台は高校で、暴力と思春期に溢れた作品でした。
各章ごとに登場人物の視点が切り替わり、読んでて飽きることも全くありませんでした。
途中からいきなりな展開になり、愕然とするものの(悪い意味で)、私にはそれすら良しとさせ感動しました。
読んだ後に、爽快感と切なさと後味の悪さを感じます。
私は佐藤友哉の鏡サーガのなかでこの話が一番好きです。
他作品も期待して読んでみましたが、この作品の印象が薄れてしうだけかもしれないです。
シリーズ二作目ですが、個人的にはこれを読むだけで充分だと思います。
技巧的に稚拙な部分は多々あるが、それを補って余りある構成の巧みさ(××トリック)で、彼のキャリアの中でも突出した出来になっている。 これまでのシリーズでは設定を近未来にして、どうも作者との作品の距離感が不安定要素として不満が残るものだったが、 本作は発表当時の年代を舞台に、下流生活者の犬以下の青春を描き、かつそういった下流生活に甘んじる若者(作品に共感できたような読者)を暴力的に突き放したという点で、 リアリズム文学としても優れている。 ただ苦笑せざるをえないのが、登場人物の引用が幼い印象を与えるところ。柴田元幸とサリンジャーしか出てこない(あとは浦賀和宏ですか)のは、 いくらなんでも、と思う。 その後自分でも文学的教養がないことがコンプレックスとなったのか、最低の駄作『1000の小説とバックベアード』を書いてしまった、 『バックベアード』のようなものしか書けなくなってしまったのは、惜しい才能を失くしてしまったな、と慨嘆せざるをえない。 いずれにせよ、『メフィスト』誌上で再開された「鏡家サーガ」は本作を超えることはできないだろう。 あと、解説が糞。
マリーとメアリー ポーカーフェイス(沢木耕太郎)
本書では唯一のノンフィクション作家さん。後から調べたら非常に有名な方だということで、さすが新潮社Story Seller編集部、と思いました。
雰囲気がお洒落で、へぇ―っと勉強になることがいくつか。ノンフィクションはあまり読んだことがありませんが、非常に興味をそそられました。
合コンの話(伊坂幸太郎)
相変わらず伊坂さんはアイディアマンです。初めはその奇妙な雰囲気に違和感を感じますが、玄人の伊坂ファンが安心できるラストがきちんと用意されています。最近の伊坂さんは書きたいものを書いてると言っている通り、本当に自由ですね。作家としてそういう地位を確立したということでしょうか。
レミング(近藤史恵)
またサクリファイス関連でした。近藤さんは元々スポーツ系というわけではなさそうなので、違った一面も見たいと思っていたのですが…残念。
内容はまぁシンプルで読みやすく、盛り上がりに欠ける以外は悪くありませんでした。
ヒトモドキ(有川浩)
この作家さんはどれだけ引き出しを持っているのでしょうか。今回もラブコメテイストかなぁ、と予想していたら、ものすごく裏切られました。
身内関係でのこういうトラブル(他の方のレビューを参考に)はよく耳にします。ですが、それにスポットを当てて見事に描き切る有川さんが見事。これからも期待している作家さんの一人です。
リカーシブル―リブート(米澤穂信)
もともと長編であったものの一部を短編として出した、と米澤さんのHPで拝見しましたが、そのせいか中途半端さが本作で一番強く感じられます。私は米澤さんの描く女性心理やどこか寂しげな風景描写(ボトルネックの東尋坊など)が好きなので、その点では満足しました。
444のイッペン(佐藤友哉)
前回は主人公のキャラ設定が掴めなくて苦労しましたが、今回は自然に読めました。今回も登場する探偵役の赤井のセリフが印象的です。
『こうやって歩くと、私たち恋人同士に見られてしまうのではありませぬか?』こんな女子高生がいたら可愛い(?)ですね。ミステリーとして読むというよりは、主人公の内面を中心に読む作品だと思います。
日曜日のヤドカリ(本多孝好)
私は本書で一番好きです。小学5年生の弥生さんと、血の繋がっていないお父さんのお話。決して涙を誘う話ではないのに、不覚にも最後は泣いてしまいました。こういう家族の形があったっていい。互いを慈しんで、大切な何かを交換し合えるなら、血縁なんて関係ないじゃないか。本多さんが描く物語は、強く、しなやかで、私に明日を生きる勇気をくれます。
総括
全体としてStory Seller1の衝撃には敵わない印象を持ちましたが、本書も大切な部分―作家の個性と読みやすい分量―は持ち合わせていました。
どの作家さんも今が旬の方ばかりなので、これを機会に読書の幅を広げていけると思います。
小説に意味なんてあるのか?というある意味小説にかかわるすべての人にとってタブーともいえるテーマを含んだ小説。帯の言葉がそのほとんどを表現しているとおもうので引用します。
小説ってなんだろう? 小説を読むことに、はたして意味はあるんだろうか? 小説は、人を幸せにしてるんだろうか?
内容がはっきりじゃなくて漠然としか思い出せないんですが、長いのに読んでてスラスラで、割と面白かったです。 推理よりハラハラさの度合いが楽しめたんですが、人物が紙みたいな人につくられた いっぱいだったからあまり覚えてないんです でも、読んでいる時は楽しかったー
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