東日本大震災以降、週刊誌や新聞で取り上げた記事の縮刷版や増刊号が出ましたが、この本ほど現実をありのままに、実際に体験した側から伝えたものはないように思います。
最初は「テレビで見たあの新聞だ」と興味本位で手にしましたが、避難所の風景や、そこで暮らす子ども達の伸びやかな表情に、書店でずいぶん見入ってしまいました。
大人側の目線で余計な情報を挟みがちですが、本書はそれが無いのも潔いです。
どこに立って、誰に向けて何を、いつまで伝えていくのか、今回の震災はそれが非常に問われているとも思いますが、子どもは子どもなりの感受性で、大人はまた別の見方をして読み込める1冊だと思います。
伝えること、書くことに関心がある人、仕事にしている方、ぜひ手にして欲しいです。考えさせられて、励まされます。
個人的には南三陸町がとても小さいのが気になったのと、実際行ったという人にいわせるところが津波があびてないことになっている。(牡鹿半島の東側など)
80名が感じた、震災数ヶ月後の頭の中を切り取ったドキュメント集。
(年齢は企画上のことで、誰かが書いて、紙に残された事実の尊さを重要視するべき良書です)
文字に記すことで、事実が証言として整頓される。
参加を決断された方は、この上ない貴重な体験が出来た。
助けを肌でひしひし感じ、それに応えようと努力する
高い年齢の方の文章は、励ましやスローガンが増えるのは致し方ない。
それが作文と言う表現なのだし。
読み応えがあるのは、あった事実を時系列で並べて書いた方の文章。
実際に鉛筆を持ってみると、事実を並べて書くのがいかに難しいかがわかる。
取材者によって、書かれなかった部分の解説もある。
行間に、涙と、苦しみが、ある。
自治体によって訓練の仕方が違うこと、児童への配慮が違うことも出てくる。
(崩れていく街は見せないよう共通理解させてた地区があった)
他の証言文学同様、永く再版されて読み続けられる書物だと思います。
3月11日、青森県八戸市で被災しました。車を冠水にて廃車。
津波が押し寄せてくるところを目撃してしまったので、今でもトラウマに悩んでます。
さて、このDVDの前半は巨大津波が襲来する時の東北各地での記録。震災の直後に
ニュース番組で「映像提供:海上保安庁」とテロップ付きの映像をご覧になった方も
多いかと思いますが、その映像を集成したものです。仙台空港に津波が押し寄せ、
車や小型航空機が流され「あ、もーダメです、全部ダメ」と声が入っている映像など、
今でも覚えている方は多いのではないでしょうか。
別のメーカーからは素人がデジカメ持って、ただ歩いて映したものを結構な値段で売り、
相当の批判を受けたものがありますが、このDVDは海上保安庁だからこそ撮影できた
映像(沖で巡視船に押し寄せる津波など)が数多く含まれています。1枚1,000円
ですので、持っておけば将来防災教育等に役立つのではないかと思います。
「災害は 忘れた頃に やって来る」 防災への備えをしましょう!
車や家、船などが一瞬で流される場面を集めた映像を見る機会は多いが、 このDVDでは初期の海面変動から白い波が徐々に増えていき巨大化し街を津波が襲い、波が引いていくまでの始終が収録されている。
興味深かったのは宮城県内各地の津波の高さデータ。10mとか20mとか超巨大津波に注目される傾向があるが、データを見ると2〜3mクラスの津波でさえ壊滅的な被害をもたらす事が分かる。 大津波警報が出ても到達津波予測が3mだったから逃げなかったとか被災者のコメントを何度も見たけど、 地盤が沈下して堤防の安全性が危うい今回の巨大地震では判断を誤っていたと言える。
テレ朝で戦場カメラマンの宮嶋氏が被災地に震災直後に入り「あらゆる戦場よりも悲惨、でも、この惨状を映像で伝えられない無力さを感じた」とコメントを残していた。 収録されてる映像の真の不安・恐怖感の何分の一が伝わるかは分からないが、 数値化されている事で津波対策の目安にはなるかと思う。
2000年以降、震度6クラスを3回以上経験している宮城県、 今回の地震では津波以外に過去になかった被害、地下鉄や仙台駅などの鉄道、高速道路、青葉城祉石垣等など、数多くの物が地震で破壊された部分が収録されていなかったのは残念。
反対意見は多いと思うが遺体などを映さないのが道徳的常識と思うが、 この現実にあった悲惨な状況を、より正確に後世に伝えようと考えた場合、目を背けてしまう部分を映さないのは正しい事なのか悩む。
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