ニューオーリンズのフォンキー・グールー・ピアニスト、フェス(プロフェッサーの愛称)の事実上の遺作。眠るように(…実際、眠っている間に永の眠りに就かれたらしい)この世を去ってしまったのが本作収録の2ヶ月後であり、その日が米国内での本作発表当日であったというのはあまりにも有名な話だ。そんないわくつきの作品ではあるが、内容はまさしくフェスの最高傑作というに相応しい仕上がりになっている。代表作「Big Chief」を始め再演が多いが、生前の彼がギグでは常にそうだったように、どの曲も従前と異なるスタイルで演奏されているので聴き応えも迫力も充分だ。聴けば聴くほど、彼が鬼籍に入ってしまったことが悔やまれる、そんな名盤です。かつて彼のことを、ニューオーリンズのピアノの名手、アレン・トゥーサンが“ロックのバッハ”と表し、最大級の賛辞と敬意を送り続けていたこともよく理解できます。
ニュー・オーリンズものでは、Dr.ジョンの「ガンボ」と並んで最もよく聴いているアルバムです。知名度という点では「ニュー・オーリンズ・ピアノ」に及ばないかもしれませんが、70年代の録音なので、カー・ステレオの大音量にも耐えうる音質で、晴れた日のドライブに最適な一枚です。ピアノや歌の他にも、全体を支配するリズムであったり、ゲイトマウス・ブラウンの軽快なギターやフィドルであったりと聴き所の多い作品です。
ニューオーリンズ・ピアノの代表格、プロフェッサー・ロングヘアの遺作となった80年発表の作品。弾けるビートに乗せて奏でられる、軽快なピアノの音色がなんとも心地良い。
マジで聴きすぎてレコードがすり切れた。Crawish Fiestaはもちろん名盤だが,かつてはこのアトランティック編集盤がロングヘアの基本だった。演奏は粗いし録音もよくないけれど,それも味わいというもの。深いユーモアで満たされたニューオリンズ黒人音楽の深みにはまるための1枚。
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