悲しいんだけれど、それも全部受け止めて優しさにかえた、時に繊細で、時に力強い歌声。聞いていて悲しくなるけれど、聞き終わった後に何故か元気になるアルバム。すごい。
私は、この方の文章と感性の独特な先鋭さがとても好き。
日経新聞の夕刊に掲載されていたエッセイもリアルタイムで読んだとき、
なかなか、他の人がはっきり言えない感覚、でも市井の感覚、でも独自なもの
を打ち出しておられて、関心していました。
この本は、週刊新潮の連載がかなりの部分を占めるけど、
一部、震災直後の時期の日経夕刊のエッセイも交えています。
今の時代をより深く考えるために、
どのような力をもってしても「奪われないもの」とは何かを
震災後の今考えるために
この本を読んでみてください。
追伸:深刻な話ばかりではなく、つい笑っちゃう話ももちろん多いです。
(作者のファンにはいわずもがなでしょうが)。
川上未映子さんの華奢で端整な佇まいと、滑らかな語り口がとても好きです。
言葉のリズムも快いのですが、 思考の飛躍や連鎖のリズムもまた然り、なのです。 1ページ目からお行儀よく読むもよし、 パラリと捲って目についたところから読むもよし。 ゆらりとたゆたってみたり、ざわっと鳥肌を立ててみたり、 こちらの心持ちひとつで、 いろんな楽しみ方ができそうです。
主人公のひばり役、染谷将太くんがスゴイ!あの雰囲気、あの表情、目つき…
18歳とはとても思えない、大人びた憂いのある表情。
18歳でこんな風になれるものなのかと感心してしまいました。
この人はもう少し年をとったら、イイ男になるに違いないです。
あと、川上未映子。作家さんなのに、なんでしょうこの存在感。
見た目はそこまで華やかだったり美人なタイプではないのに、
話が進むうちに、だんだんと綺麗に見えてくる…
この人の美しさは見た目じゃなくて、内面からにじみ出る妖艶さや凛とした美しさなのでしょうね。
仲里依沙もいい。現代っぽすぎて、最初は違和感を感じるのですが、
そこがこの作品の浮遊感だったり、飄々とした雰囲気につながっているんだと思いました。
ふかわりょうも意外に(笑) なんかこの雰囲気に合ってる(笑)
ラストのひばりの「悲哀」と「希望」。
この「希望」があるから、救われるし暖かくなる。
ひばりの「パンドラの匣」に「希望」が残ってよかった。
独特の雰囲気でラストまで漂っていった、心地よい映画でした。
作家としての川上未映子はよく分かりませんが、
これはとても聴きごたえのある、良いアルバムです。
歌声には芯の強さを感じます。
聞くたびに味が出てきます。
ケイティー・タンストールが好きな人は
これも好きになると思います。
『悲しみを撃つ手』が素晴らしいです。
小説もいいけど、アルバムをもっと出して欲しい。
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