大衆紙や週刊誌に好んで作品を発表してきた野坂は、やはり論壇と文壇が厳として存在していた時代の人で、文壇に認められることを内心では希求しながらも、それに対抗せざるをえない、そんな生まれ育ちを背負って生きてきたんじゃないかと思います。 後にプロボクサーになってみたり、田中角栄に反発して選挙に立ったり、朝まで生テレビで露悪趣味な毒舌をふるってみせたり、作家の本分たる作品よりも生き様のほうが世間に影響を与えた感も否めません。この作品からは、戦後焼け跡で1人育った彼の、溢れんばかりの寂しがりと認められたい気持ちとが滲み出してきます。多くの文壇に関わる人々を描写する中で、自分の抱える劣等感を余すところなく書くことを、なかには好ましく思わない人も多いんじゃないかと思います。 この作品とこれまでの業績で、後に金沢由来の泉鏡花文学賞を受賞しています。個人的には、金沢に縁の深い同時代のライバルである五木寛之よりも、どこか漂うような野坂の過剰な人間臭さが好きだったりします。
井上ひさしさんの「汚点(しみ)」が好きです。 小学生の頃にはじめて読んで、感動して・・・ それ以来、何度読んでも同じところで涙を流してしまいます。 とくにラストシーン。 体中があつくなるのを感じます。
神戸大空襲。同じ神戸。野坂氏は東灘区、小生は三宮駅あたりを彷徨っていました。 蛍の墓 の体験は人生の終末期まで、貴重な生涯の記憶として、何時も心の中心にあります。 何とも不安な、頼りない日本の現状。橋下、石原 代表「維新の会」。石原氏は80才。 この元気さは何処からくるのだろう? 橋下氏の強引さには、いささか同意しかねる部分もあります。 アイディアは素晴らしい。宝塚市、伊丹市長選挙で大敗で気付かれた事があると存じます。野坂氏や 小輩のごとき人種も日本に多く残っています。日本は普通の国でいいじゃないですか。嘆くなかれ。 きれいな日本再生に何かしょうではないですか。
実は、今村昌平の映画とは、個人的にあまり相性がよくないようで、ほとんどの作品はそんなに好きではなのだが、本作はその中では珍しく大好きな映画。個人的には氏の最高作だと今でも考えている。
1966年キネ旬第二位に輝いた本作は記念すべき今村プロの第一作でもある(それまでは日活で撮っていた)。
白黒・スコープサイズという、当時の今村のお得意の様式で活写される「エロ事師」稼業のバイタリティあふれる可笑しさは、常連の小沢昭一の怪演と相まって、同時代のその他の映画の中にあっては飛び抜けた存在感を今でも誇っていると思う。だが、今村ファンからはなぜか、本作の評価はそれほど高くないことはこのレビューの全滅ぶりでもおわかりいただけよう。
今村は本作の成功を契機に、その作風に微妙な変化をもたらしただろうと考えている。いい意味での「軽み」のようなものを、その作風に備えることになったのだ。それは70年代以降の今村作品のキーとなる要素だ。
本作の面白さは、野坂昭如原作によるところも大きかったと思う。
蛇足だが、今村氏には生前、一度も個人的にお会いしたことがなかったのは今となっては残念だが、野坂氏とはあるパーティでお会いして、原稿を頼んだら即決で了解してもらえた。飲んだくれだが本当に気のいいおっさん。今リハビリ中とか。頑張って長生きしてもらいたい。
全作の別れぬ理由は南條玲子のヌードシーンしか見ていなかったが、この作品は文芸作品の色合いが強い・・桜がとても良く撮れています。全体的におとなしい雰囲気な映画ですがやはり七瀬なつみのヌードに目が行ってしまう若い頃は色々と試行錯誤して役者の道を歩くそんな感じに思います。
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