優しい気持ちになるアルバムに出会いました。
包み込むように、ささやきかけるアン・バートンのヴォーカルに 耳を傾けながらまどろむ。そんな雰囲気のアルバムです。
夜眠る前に聞きたい。
ふと「愛」という言葉が頭の中をめぐり始めました。
「求める愛」 「与える愛」 「こんなにあなたを愛している」 「私と同じくらい、あなたも私を愛して」 「奪う愛」 「奪われる愛」
激しさが愛の深さと思われがちだけれど、 もしかしたら勘違いかもしれない。
一時の熱情が冷めて、穏やかな倦怠と共に訪れるのが「愛」なんじゃないかな。
アン・バートンの声が私の存在する空間をすっぽりと覆
カレン・カーペンターが鬼籍に入ってから四半世紀が経ちましたが、彼女の歌声は今も日本の多くのファンに愛され続けています。カーペンターズのデビュー40周年のタイミングで、このようなトリビュート・アルバムが企画されたことは大変意味があると思っています。
リーフレットの冒頭に、本企画のプロデューサー・門倉聡氏による企画の意図とカーペンターズの思い出や熱い思いが面々と綴られていました。至極同感です。
オリジナルに徹底的にこだわるという姿勢で半分くらいの曲が提示されています。コアなカーペンターズ・ファンでしたら、リチャードのアレンジの細部まで関心がありますので、そのあたりの処理も含めて見事なカバーでした。
カレンを超えるヴォーカリストを望むのは大変難しいハードルでしょうが、物凄く歌の巧い人を揃えており、このあたりのこだわりも成功していたでしょう。アーティストによっては、曲に出来不出来がありますが、それは個性の差として理解しています。オリジナル歌唱のそっくりさんを望んでいるわけではありませんから。
鬼束ちひろの「青春の輝き」の出だしから引き込まれました。深く包容力のある声です。彼女らしさもサビの部分では感じながら、レスペクトの気持ちが伝わってくる歌唱でした。
白鳥マイカの「愛のプレリュード」、竹仲絵里の「オンリー・イエスタデイ」、akikoの「マスカレード」など素晴らしい表現力だと感心しながら聴きました。リチャードに聴いてほしい歌唱が一杯収録されています。
根岸孝旨 feat.植木智子の「インターミッション」も良く出来ています。いいですね。
特別な美人でもないし、プロポーションも普通。胸も平凡で凄いヘアでもない。あまり特徴のないモデルさん。写真集の中身も特に大胆なカットも無く見終わった印象は薄い。もっと笑顔のヘアヌードがあれば良かったかも。
「雨の日と月曜日は」「見つめあう恋」をピアノで弾きたくて購入しました。とっても編曲の仕上がりが丁寧で満足のゆくものです。ただ、そのすばらしさの分、弾くのも一苦労するものもあります。ピアノ中級以上の方にお勧めです。「トップ・オブ・ザ・ワールド」「シング」「イエスタデイ・ワンス・モア」など馴染み深い曲も勢揃いなので、ファンには持っていて損はないでしょう。
カーペンターズのベストは、沢山出ていますが、曲の多さ、音質の良さからから言ってこの盤がベストです。贅沢を言えばちょっと曲が多すぎてもう少しまとめられればとも思うのですが、やはりこれは贅沢ですネ。
カーペンターズと言うとやはりなんといってもカレンの歌声です。感情たっぷりに歌い上げるその歌声は、今聞いても新鮮ですし、おそらく、これからもいつ聴いても新鮮だと思います。
私は、こういったベストの後、一枚一枚オリジナルをたどって行きましたが、「涙の乗車券」、「クロース・トゥ・ユー」、「ナウ・アンド・ゼン」などなどどれもがベスト盤と同じくらい良いアルバム、楽曲ばかりです。
未だカーペンターズをお持ちでない方にはこのベストをお勧めしますし、このベストの後は是非オリジナルに進んでいかれることをお勧めします。
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