正しいことをしようとしたために脱藩した男。
その男は妻と一緒だった。
一人の男に刺客としての指令がくだるが、二人は
親友同士であった。また脱藩した男の妻は
刺客の妹でもあった。
武士という世界では上からの命令は絶対。
自分の思いを殺して、脱藩した男を追う。
話のなかで、すごいアクションがあるわけでもなく
笑いもお色気もあまりありません。
その分、刺客の男と一緒に小さい時から育ってきた
もう一人。
3人の人間模様が、過去の回想シーンから繋がっていくのは
切なく、そして引き込まれていきます。
なぜ 見つけたことを言わないのか。
なぜ 刀を抜こうとしたのか。
具体的な答えはなく、映像から感じ考えさせられて
いくことで 心に響いてきた作品でした。
おなじみNHK金曜時代劇で最近放映された。原作は藤沢周平。やはり東北の小藩、海坂藩の下級武士の物語。主役の牧文四郎を演じる内野聖陽が出色。声もよし、台詞が小気味いい。同じ原作者の「三屋清左衛門・残日録」にならぶ傑作ドラマ。近年、これほど台詞のキレイな若手俳優は珍しい。確か、大河ドラマ「徳川慶喜」で兄役を演じていた。世継ぎをめぐるお家騒動で父は切腹、悪役の首席家老に、主君の世継ぎを生んだ文四郎とは幼なじみの側女を殺す罠に嵌められそうになるがかろうじて逃れる。刀の腕は藩内でも一二を争う。危機を乗りきったあと、首席家老の屋敷に単身乗り込む。そこでの台詞がよかった。「軽輩と思われ、侮られましたな。大勢の人が無駄に死にました。死にいくものの気持ちとは・・・」と言って、家老の座る椅子の脚を一刀両断。このシーンは見物だった。謀反が明らかになった首席家老は藩外追放となるが、文四郎に刺客が放たれる。師から伝授された秘剣・村雨で対決する。秘剣・村雨とは?「隠し剣・鬼の爪」と同様、なるほどと思わせられる。ところで、劇中音楽がこれまた、素晴らしかった。特に決闘や緊迫した場面で使われたアラブ系の音楽が素晴らしい。違和感どころか、不思議な緊迫感をかもす効果を上げていた。藤沢周平の世界は日本人の物語であり、「情」の世界だ。未見の方、あるいは収録できなかった方、お奨めします。飽きません。これまで自身、6~7回は見ています。
稼ごうと思っても、生来の優しさと武士の矜持が邪魔をする。
商売よりも、人助けに転んでしまう平四郎だが、いずれ道場を開こうという夢だけは捨てていない。
かつての許嫁と再会してから、少しは欲が出てきたようだが、今日も、強請事件の仲裁をし、
子供に頼まれて、酔っ払いの父親の行方を捜して歩く。
いつまで続くか、裏店暮らし。
それでも、暗く荒まないのが、坊ちゃん育ちのいいところ。
時代は天保の改革に対する不満渦巻く江戸の町。
庶民とともに生きる道を選んだ、旗本の庶子の生きざまを、爽やかに描く。
「邪剣竜尾返し」
「臆病剣松風」
「暗殺剣虎の眼」
「必死剣鳥刺し」
「隠し剣鬼の爪」
「女人剣さざ波」
「悲運剣芦刈り」
「宿命剣鬼走り」
”隠し剣”8篇のオムニバス作品です。
家宝は決して人に見られてはならないと伝えられます。
隠し剣とは、流派の家宝で、たった一人に伝授されてゆく必殺の剣です。
本当にあるのかどうか、噂でしか人は知りません。
その技を伝授された8人の武士が辿る運命が墨絵のように描かれます。
読んでいるうちに映像が脳裏に浮かび、登場人物が動き始めるような思いがします。
流石に短編の名手。小説の醍醐味のような面白さが味わえると思います。
映画館で、友人と鑑賞。主人公、その妹、使用人、この3人の幼少時代のEPが、やや薄く、取って付けたようでしかなかった。 セリフは、少なく、全編わりと、淡々としているが、控え目な演出は、評価したい。主人公と、使用人2人の、旅路を、豊かな、風景を、交えつつ、遠巻きに、撮影されたシーンが多い。映画の宣伝と内容には、かなりり開きがある。兄と妹、そして、友を討つ葛藤が、いずれも、やや、浅く、片岡愛之助に至っては、想像以上に、セリフも出番もなく、討たれる側の心情などは、描かれていない。どのみち、田鶴は、最初から亭主以外に心を寄せる人が(使用人)がいたのだ。愛之助ちゃん立場ないわね。ラスト近く、兄に手向かう、田鶴である、菊池の殺陣には、正直、萎えた。一応、女ながら、○○流の使い手と言う設定であったようだが。それに、菊池ブサイクすぎ、別のキャストが良かった。一方、勝地涼は、とても、いい演技をしていた。りりしい容姿で、カツラや、着物姿も良かったと思う。 しかし、DVDでわざわざ、買うとか、人に、コレ!オススメと言えないところが残念。 一緒に行った、友人は、あっさりしすぎ、物足りないと、途中から、うたた寝してましたもの。
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